★2012年救歯塾バックナンバー
2013年救歯塾案内ができました
「難症例に取り組む」(欠損歯列に強くなる)
@欠損歯列には「すれ違い咬合」などの難症例が集中しています
A欠損歯列を親切にきちんと教えてくれるところが見当たりません
B欠損歯列には移植やインプラントなどの処置が多様で、診断が難しい
C欠損歯列にはう蝕、歯周炎、メインテナンス、など歯科のすべてを含みます
第1回「欠損歯列は難しいーーーだから欠損歯列はおもしろい」 4月21日? 606号
難症例とは? 難症例と欠損歯列の関連性は?
難症例のつかみ方、 難症例を解き明かす
第2回「欠損歯列を得意になるーーー分かると楽しい欠損歯列」 5月19日? 601号
日常頻度の高い欠損歯列の診断を考える、 問題点の整理して得意になる
欠損歯列が読めると、難症例に取り組みたいと思う
第3回「まずパーシャルデンチャーをデザインできるようになる」 6月23日? 606号
噛めて長持ちのパーシャルデンチャーとは
パーシャルデンチャー成功のポイント
第4回「歯牙移植とインプラントを適応できるようになろう 」 7月21日? 601号
移植とインプラントをどう使い分けるか
移植とインプラントの適応選択を把握しよう
第5回「10年後を予測した診断=予後を読む診断力を身につける 」 9月8日? 601号
処置方針を10年後を読んで行う、予後の読み方を学ぶ
予後が読めないとトラブルも予測できない
第6回「少数歯残存症例に取り組もうー咬合再構成の診断と術式」 10月6日? 601号
咬合再構成とは、欠損歯列の診断から処置まで
口内描記、調節性咬合器、トランスファー
第7回 「全員ケースプレゼンテーション」 11月10日? 606号
ケースプレゼンテーションから学ぶ、自分の位置確認と来年の課題
※懇親会:1年間を振り返って (17:00〜19:00) 601号
★受講のご案内
*口腔内写真を撮っている方を対象。定員70名、先着順で締め切ります。
*受講料:¥100,000円(1年7回連続) 実習があり、連続受講を推奨
実習代の実費負担あり。2013年3月31日で申し込み締め切ります
*会場:都市センターホテル(千代田区平河町2-4-1,?03-3265-8211)
*申し込み方法:次の事項を,下記へメールかファックスでお寄せ下さい
氏名,出身校,卒年,受講経験,連絡先の住所〒,Tel,Fax,E-mailを
*亀井歯科 E-mail:kameishika@splash.dti.ne.jp Fax :03-3837-2252
〒110-0016 台東区台東1-31-10-202 03-3837-2252
2012年のセミナーが終わりました
11月11日で今年のセミナーが7回全部終了しました。最終日は受講者によるケースプレゼンテーションです。受講者が多いので、救歯会の会員には発表を辞退していただきました。それでも35名のケースプレゼンテーションとなりました。7分発表の3分討論で精一杯でした。一番若い発表者は平成22年卒で、自家歯牙移植の症例が出てきました。あまりに見事なプレゼンテーションに圧倒させられました。最後は昭和57年卒の方で、北海道北見市から遠路通ってこられた熱心なメンバーです。今年の発表は皆さんのレベルが高くて、今までで最高です。皆さんに救歯会に入会していただきたいと思いました。ホンネです。17時から懇親会があり、チューターを交えて約50名の賑やかな会となりました。皆様から一言ずつ感想を述べてもらいました。来年も救歯塾に参加したいという方が多かったので、それがほんとうでしたらとても嬉しいです。今年は食べ物を豊富にしましたので、最後に少し残っていました。アッという間の2時間でした。来年の再会を祈念して解散しました。救歯塾に参加された皆さんありがとうございました。
★嬉しいメールをいただきました。
今回の救歯塾の受講は、私にとってとても大きな気づきと反省、そして今後の指針となるものとなり、とても感謝しております。
救歯塾では受け身だけでいることができず、チュートリアル方式によって常に頭を働かしていないといけない状況で、また、私より大先輩の方も、若い方も混ざった中で、大きなプレッシャーの中で発言しないといけないという中で、実戦的な臨床での考え方が身についてきたように思います。 セミナーと全体討論とグループ討論と実習と宿題と、非常に考えられた構成で、これほど脳みそに汗をかくセミナーは他にありません。また、講師陣も極めて贅沢で、それでいて受講料は格安・・・、もっと前から知っていればと悔しい思いもありますが、来年からのセミナーを受講し吸収したいと思います。
そして、黒田式コーヌスクローネを黒田先生から学ぶことができたのは大きな財産です。まだまだ見よう見まねの状態ですが、臨床にどんどん活かしていきたいと考えています。
最後の症例発表では、若い先生方が立派な発表をしている中、自分の未熟さを痛感し、今後、ますます勉強していかないといけないことを思い知らされました。ケースプレゼンテーション、本当に大切ですね。 この一年、多くの学びと気づきをいただき本当にありがとうございます。来年もぜひとも参加させていただければと思います。(愛知県名古屋市開業 小塚義夫)
実習込みのセミナーだと荷物も多いし器材も多いので大変です。実習があると頭で理解するだけではなく、シッカリと身につきますし、具体的な質問が多くてチューターが忙しくなります。事前の準備が大変です。 |
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2012年は60名の参加者
救歯塾はチュートリアル方式を取り入れた臨床研修の理想的セミナーです。今年もグループ討論が活発で、着実に実力をつけていけます。毎回、課題としてレポートを提出してもらいますが、レベルが向上して嬉しくなります。今回も下記のようなレポートがありましたので紹介します。
『セット時の適合チェックはどうするか? 問題発見と対応策』 青森県弘前市勤務 佐々木智美
通常の局部床義歯と異なり、コーヌスクローネの多くの場合は、全ての支台が義歯の中に組み込まれるため、外側性のレストやクラスプがある場合を除いてはセット時にその浮き上がりやズレなどを把握するのは非常に困難であると言える。
そのため、まずは外冠の試適時にチェックした適合状態を参考に内・外冠のマージン部において浮き上がりが無いかが診査の重要なポイントになる。そのため試適時における内・外冠の適合状態と比較したい。しかしながら一歯単位で適合状態を詳細に記憶しておくことは難しいので、写真等で記録しておくことも良い方法であると感じる。また、後に何か不都合があった場合でもどこまでステップを戻ればよいのかの確認にもなるので有意義であると考えられる。
またホワイトシリコンを用いて内面の適合状態を確認することも一つ有効な方法である。支台歯数が多くなればなるほど外冠の連結による変形や、ろう着による変形、義歯の重合などの様々な要因により浮きあがりが生じてしまう。このような浮き上がりをなるべく最小限にするためには、前回の救歯塾で学んだように、外冠の連結あるいはろう着の選択、ろう着の部位、メタルフレームの設計などに細心の注意を払うと同時に、深い知識と経験が必要である。しかしながら、ある程度の浮き上がりに対してはある程度の時間が経過すれば支台歯の移動であったり外冠の変形が生じることで適合状態は良くなる。そのため、セット当日はある程度の浮き上がりであれば緊密な咬合調整を最後まで行わず、経過を見るのが良いと考えられる。
外冠の維持力が大きく義歯の着脱ができないような場合は、義歯にノブを付けて着脱練習を行うことも一つ方法である。これでも無理である場合は、内冠の脱離や歯根破折等のトラブルが生じる可能性があるため維持力を調整する必要がある。これには直接外冠の内面を一層削合する方法、あるいは外冠の内面にパラジウム箔を電気溶接する方法がある。逆にめったに無いことではあるが、維持力が弱すぎて維持できないような場合は、外冠の維持力を強める方法は無いため再作製となってしまう。そのため内・外冠の維持力は治療の成否に大きく関わる重要なポイントであるため、コーピングの試適時には細心の注意を払いたい。また、コーピングの数は余裕をもった数を作製しておかなければならないし、再作製の場合を危惧し、セット時まで必ず保管しておかなければならないだろう。
今まで、各ステップごとの精確さの積み重ねがコーヌスクローネの作製には必要不可欠であることを学んできた。しかしながら細心の注意を払い、各ステップの操作を進めても、間接法という目に見えない誤差の積み重ねがセット時に目に見える誤差として圧し掛かる。この誤差をどのようにして相殺するのか、これもまたこのコーヌスクローネの難しさの一つなのだとこのレポートを書きながら感じた。
9月9日のセミナースナップ
10名ほどのグループに分かれて、グループ討論を行います。あらかじめ症例写真で提示された課題に関して討論していきます。各グループには座長、記録、発表者が持ちまわりの順番で決められて、グループ発表に臨みます。自分の考えを発言しますので、考えをまとめたり、自己レベルを知らされたり、真剣勝負です。確実に実力が向上します。 | |
実習があると、手を動かして体験学習ができるので、確実に身につきます。「見てる、聞いてる、知っている」と言うだけではなく、「やれる、やっている」というレベルに導いてくれるセミナーは、確実に実力向上できます。救歯塾がリピーターが多いというのも、多分にこれらのことが物語っています。チューター(講師)が10名以上というセミナーも珍しいです。 |