★救歯塾セミナー案内 2010年バックナンバー
2010年の救歯塾が終わりました---受講者の嬉しいレポート
救歯塾レポート 2010/11/14 青森県弘前市梅原歯科勤務 佐々木 智美
『症例発表の意味・救歯塾を受講して自分が変化したこと、成長できたこと』
昨年に引き続き、今年度も救歯塾に参加させていただき、また新たに多くのことを学び、多くの刺激を受け、多くのことを自分の糧にすることができたと感じています。
症例発表することもそうですが、救歯塾に参加したことは私に『気付く』ということの大切さを改めて教えてくれたと感じています。
私は日々、何かに『気付く』というステップは、自分が成長していくために欠かすことのできないプロセスであると考えています。今年度の救歯塾でも、たくさんの『気付き』がありました。プラークコントロールを通して、患者の背景や生活習慣に『気付く』ことの重要性を感じました。口腔内写真を撮ることで、いつも見ていなかった角度から再び患者さんと向き合うこと、そして自分の技術の未熟さや、小さな口腔内の変化に『気付く』ことができるようになりました。規格化されたレントゲン写真を撮ることで、自分の治療の経過を観察し、そこから『気付く』ことも多くありました。小さなインレーという補綴物の精度を考えることで、技工サイドからの視点に立って『気付く』ことも多くありました。パーシャルデンチャーの設計を通じて、一口腔内単位で欠損歯列を診ることの重要性に『気付く』ことができました。救歯塾での、このたくさんの『気付き』によってまた少し自分が成長できたのではないかと思うと嬉しいです。
日々診療していると、多くの疑問も出てきますし、どうしていいにかわからない症例にも遭遇しますが、歯科の治療は自分で扉を開けていかなければ閉ざされた世界だと思います。救歯塾に参加していなければ、私は自分の技術や知識の未熟さに気付くこともなく、他の先生方の素晴らしい治療や技術に触れることもなく、閉ざされた世界に埋もれていたことと思います。自分の無知は、自らにとってマイナスなだけではなく、何よりも患者さんにとってマイナスです。そう考えると救歯塾に参加して学べたことはとても有意義でした。
最後になりますが、症例発表の意味についても同様に、自分にとっては『気付き』を与えてくれるものであり、一人の歯科医師として成長していくためには欠かすことのできないステップだと思います。症例発表することによって、自分の診療の良し悪しを他の先生方に評価してもらい、日々の診療の中で凝り固まった誤った考え方を見直すことができます。まだまだ未熟な私には、経過の無い口先だけのプレゼンテーションしかできませんが、救歯塾で黒田先生ならびにチューターの先生方が毎回見せてくださるスライドのように、これからは自分の治療の結果を責任を持って見届ける、そんなプレゼンテーションができるようになれたらと感じています。
今年度も救歯塾で勉強させていただき、ありがとうございました。
2010 救歯塾レポート 第7回「ケースプレゼンテーション」札幌市開業 角江 紀彰
1. 症例発表の意味
歯科開業医は、そのほとんどが"裸の王様"に近い状態で密室診療を一人でおこなっている。自らの治療が妥当であるかどうかがわからない。そのことにさえ気づいていないことが多い。そこで、自ら治療した内容をX線と口腔内写真等を用いてケースプレゼンテーションを行い、第3者の専門家、とくに長期的な「臨床経過」から多くの「変化」を体験し、それを検証している臨床家の目を通して客観的な批評・助言してもらう中から、自らの臨床の問題点が浮き彫りになる。また、他者との対比で自らの位置に気が付くことができる。症例発表は「歯科医師研修のあり方」そのものであるといえる。
「研修のあり方」
歯科医療は基本的に慢性疾患に対する治療であるので、個別対応と長期経過観察を余儀なくされる。開業医は一人一人の患者さんを長期的に診て、臨床経過から何かを学び取りそれを次の症例にフィードバックするという基本姿勢を持たねばならない。講演会で講師の話を聞くよりも日常臨床の中に問題を発見し、その解決にむけて努力していくことが大切である。大学病院での研修は"医学"を学ぶ場であり、"医療"をおこなう臨床医としての研修とは、日常臨床における経過観察から"自ら学ぶ"ことである。"自ら学ぶ"ためには"学び方を学び""自ら考える力"を身につけることが必要である。"学び方を学び""自ら考える力"を身につけるためには、自らの臨床を症例発表して自分の臨床の問題点を炙り出し、気づくことこそが研修である。このような研修を体験できるセミナーは、日本中探しても「臨床基本ゼミ」と「救歯塾」のみである。
2. 救歯塾を受講して、自分が変化したこと、成長できたこと
今回初めて救歯塾を受講して、恥ずかしながら卒後15年を要してようやく歯科医師としての研修の仕方、歯科医療の本質というものに気づきを与えられたことが一番で、自分の歯科医師人生に大きな転機を与えられた。人生観そのものを変えられたといっても過言ではない。勤務医時代から、自分なりに歯を抜かないで保存することに汗水流してきたつもりであるが、長期間の"経過観察"という視点が全く欠けていた。せいぜい1〜2年症状が出なければうまくいったと思うにすぎなかった。それは、慢性疾患という病態を全く意識しないで治療していたということになる。開業して10年になるが、同じ術者が同じ技術で治療しても術後の経過が良いものと悪いものがあることに5年程同じ患者を診ているとなんとなく気づいてはいた。それは正確な記録を録らずに、記憶に頼った漫然とした診療であり、個体差や流れを読めていないことに気づいていなかった。
救歯塾を受講することにより経過観察から学ぶこと、症例の流れを予測した診断と治療方針、口の中から患者の生活背景を観察して声をかけること、観察力を向上させるための学び方を学ぶことなど、症例を見て考えなければならないことが沢山あるのに見逃していることがいかにたくさんあるか、自分がいかに何も考えないで臨床を行っていたのかを思い知らされた。それから少人数の討論では、診断、治療方針を適確な言葉で、人の前で発言することの難しさを痛感した。この1年で少しは診る目が養われたが、まだまだ実力差が大きく、これからさらに研鑽を積まなければならない。症例発表や少人数での討論は、自分の診療室での患者への説明に非常に役立つもので個体差を見極め、予後を含めた説明は説得力が増し、信頼関係の構築に強力な武器になると感じている。経過観察という視点から臨床を行い検証している歯科医師というのは、深い思考能力が必要で非常に頭を使うやりがいのある仕事であることを考えさせられた。今まで自分の周りにいる歯科医師とは全く違う、自分の求めていた歯科医療の真実に出会えてとても光栄である。同じ歯科医師でもこうも違うものかと考えさせられた実り多い1年であった。
第7回救歯塾レポート 平成16年卒 竹本 圭一
「症例発表の意味、救歯塾を受講して自分の変化したこと、成長できたこと」
今回5回目の発表となりますが、何回発表しても緊張しますし、準備に時間がかかっています。しかも今回の発表は以前の日本ビルの時のではなく、自分の医院の症例です。まさに自分の本当の実力が試されます。
結果は、ひどいモノです。実家で診療してから2年目とはいえ、理想とは程遠いものでした。どの医院にいっても自分の診療が変わらないのが良い事ですが、初め1年は救歯塾で学んだ半分も出来ませんでした。自分の医院に流され具合に愕然でした。しかし卒業していきなり実家でしたら、疑問にも思わずそのまま流されたでしょうが、救歯塾や救歯会の先生の元で診療していたので、診療に違和感を感じ、今は少しずつでも改善しようと努力している最中です。
具体的には、なぜ自分が前の医院では出来ていた事が出来なくなったのかを考え、すべての原因は診断にあるのではないか、資料集めを見直そう、となりました。ひどい人だけ撮っていた写真を初診時に全員とるようにしたり、パントモでは全然診断できず、問題があった所だけインスタントデンタルを撮っていましたが、診療が後手後手になるので、10枚を撮って現像部屋を作って自分で管理するようにし、インスタントの割合を少なくしました(完全に移行はまだ出来ていません)。また、その後の管理も一枚一枚袋にいれるようにし、傷に気をつけ比較できるようにしました。資料が集まると、診断にブレが少なくなり、患者さんへの説明がスムーズにいくようになりました。そしてTBI。前は衛生士さんの技術が高く、任せっきりで歯周病がみごとに治っていましたが、今ではTBIからSRPも自分で行って四苦八苦しています。治りも以前の医院のようにはいきません。写真で医院の実力がわかるとは良く言ったものだな〜と実感しました。印象方法も、提携している技工士も変えたいのですが…今後の課題です。
まだまだ以前の医院にも及ばないですが、1年目よりも医院に慣れ、余裕がでて周りが見える様になりました。そんな中ですので、月一回の救歯塾はモチベーション向上の貴重な勉強会です。自分の診療の甘さが指摘、認識できるので助かっています。今回発表にしても、自分の資料の少なさに、何をしていたのかと気づかされました。自分の診療に余裕がないと、写真をとる暇もなくなります。スムーズに診療ができて、それを記録出来るようにしたいと思います。それを評価してもらう事で、救歯塾に参加できればと考えています。
一年間ありがとうございました。
救歯塾レポート 2010/10/17 青森県弘前市梅原歯科勤務 佐々木 智美
『Eichner分類とKennedy分類の違いについて、受圧条件・加圧因子について』
まずはEichnerの分類とKennedy分類の違いについてであるが、Kennedy分類が残存歯列に対する欠損の位置関係を『上下顎のどちらか』でしか表現できない。つまりこの分類においては、対合歯列の状況が全く影響しないのに対して、Eichner分類は歯牙の咬合接触を左・右側それぞれ大臼歯群と小臼歯群の接触とに分割し、咬合支持という概念を加えることによって、『一口腔内』における残存歯列と欠損の位置関係を表現することが可能である。この咬合支持の考え方によって咬頭嵌合位の安定性や、咬合支持能力の度合いも診査可能になっている点で、欠損歯列の分類としてはとても意義があると考えられる。
Kennedy分類は大学教育でも勉強したが、Eichner分類に関しては昨年救歯塾に参加するまでは詳しく知らなかったのが正直なところである。そのため、片顎でその欠損の難しさを判断しがちであった。すれ違い咬合のような難しい症例にも気付かず診療していたと思う。無知だということはほんとうに恐ろしいことだと感じた。
しかし昨年、救歯塾でEichner分類を学び、一口腔内でその欠損の難易度を瞬間的に判断することが少しできるようになったことで、自分の中で欠損歯列に対する見方が少し変わったような気がする。どのような補綴装置を選択すればよいのか、どのような設計にすればよいのか、受圧・加圧因子をどのように考えるのか...どれをとってもその考えに不安はあるが、自分で一生懸命考えて治療した結果が、どのような経過をたどるのかとても楽しみに感じている。
次に受圧条件と加圧因子に関してであるが、これもまた欠損歯列を診る上では欠かすことのできない考え方である。上記で述べたEichner分類では欠損の難易度は診断できるが、その先の処置方針を考えるためには受圧と加圧のバランスを診ることが必要不可欠になる。この受圧・加圧のテーマで昨年救歯塾に参加して、チューターの先生の発表で、とても衝撃を覚えたのを記憶している。加圧因子を減らす目的で歯牙をコーピングで処理し、オーバーデンチャーにするというような治療はなんとなく想像できた。しかし、受圧条件を良くし、さらに加圧因子を減らすダブルの目的で移植が選択された症例はとても印象深かく心に残っている。この症例を拝見して、移植にも積極的に挑戦するようにもなったし、本当に自分にとって刺激になる回であった。
どのような補綴の本を読んでも、一口腔内単位で欠損歯列をとらえ処置方針を示してくれるものはなかなかなかった。そのため、結局は片顎単位での治療になってしまっていた。しかしその点で、救歯塾で学んだことは、これから欠損歯列を診ていく上での本当にいい道しるべになってくれたと感じている。今回もまた一つでも多くのことを学んで自分の糧にできたらと思う。
9月の塾の雰囲気(2010年9月)
9月は前歯補綴の実習がありました。各自模型で前歯ブリッジの支台歯形成をした模型を持参して。お互いに検討し合います。自分の形成をみられるのは恥ずかしいところもありますが、だからこそ勉強になります。他の歯科医の形成を身近でみることはなかなかありません。その支台歯に合わせた個歯トレーを準備してきて、さらにウオッシュしてマージンを明瞭に出すトレーニングをします。形成限界を表現することを学びます。
10月にはこの模型を印象採得して模型に起こし、パーシャルデンチャーの設計をする宿題があります。ただ講師の話を一方的に聞くセミナーと違って、実習をするとなかなか難しいのですが、それだけ身につきます。救歯塾を受講すると、確実に実力がアップします。その良さを理解した方はリピーターになります。9年連続して受講している方もあります。講師冥利に尽きます。ありがたいことだと感謝しております。
来年はもっと良いセミナーにしようと、企画を練っているところです。新しい中に、実力向上ができるように、基本を重要視しながらプログラミングするのはなかなか大変です。ご期待ください。来年も是非受講してくださいますようにお願いします。
リピーターにも好評(2010年6月)
今年の救歯塾では1回目と2回目には衛生士さんの受講を認めました。ただし歯科医と同伴ですので、それほど多くは受講できませんが、15名ほど参加されました。
1回目のプラークコントロール、2回目のルート・プレーニング、どちらも衛生士さんにとっては基本中の基本ですが、受講された後の感想では「これほどプラークコントロールが大切だと考えていませんでした」という声や、「奥が深いんですね」とか「明日から考えてモチベーションにはげみます」という嬉しい反応にはこちらがモチベーションされました。
3回目からは歯科医だけの受講となりますが、毎回実習する課題を準備していますので、こちらは大変です。「X線写真の読像」では、デジタルX線写真の普及が予想以上に広まっているのに驚かされました。まだまだデンタルX線写真においてはデジタルでは読像に耐えないレベルだということを実感していただきました。読像にそれほど関心がないこと、このことが問題だと思いました。
歯周治療の基本中の基本であるところのルート・プレーニング実習をしています。意外にできないものだと実感して貰います。 |
ルート・プレーニングがうまくできないのはシャ−プニングができていないことを実感して貰います。 |
彎曲根管の根管拡大操作を実習します。結構難しいと実感できます。 |
X線写真の読像を行います。読もうとするとX線写真の質が大きく影響してくることに気づいて貰います。 |
2010年救歯塾始まる(2010年4月18日)--受講者の声--
昨日は救歯塾でお世話になりました。今回も大変勉強になりました。いろいろなケースを見させていただいたおかげで、歯肉や歯の見るべきところ、気づくべきところが分かった気がしました。
全体討論でたった1枚の写真からこんなにいろいろわかるのだと驚きじっくりみるということがいかに大切か思い知らされました。普段からもっともっと口腔内写真を見ないといけないと思いました。いつもの救歯塾もとても勉強になるのですが、今回は心の底から揺さぶられる感じがありました。今までにない黒田先生からのパワーを受けた感じです。
先生の言葉の中で、「プラークコントロールに失敗しているから歯科医院に来ている」という言葉が特に心に響きました。
プラークコントロールが重要と頭では分かっていましたが、自分のやった処置が長持ちするためとか今後悪くならないようにするためといった、どちらかというとプラークコントロールを対処療法的に考えていました。
つまり治療があって、そのための補助手段という考えです。しかし歯科疾患を治すにあたり、原因除去こそ根本治療であり治療を成功させるのではなく、プラークコントロールを成功させることこそが本当の歯科治療であると思いました。その他にも心に残る言葉がいっぱいでした。
「患者さんへの思いやりと責任感が記録を残す」、「ヒントをあげて回答はいわない」、「患者に気づかせないと行動が起こらない」、「質問攻めにしてはいけない、褒められると素直に言う」。明日の診療から使えることばかりでした。本当にありがとうございました。その他、木村先生の講演でも、「人に見せるために口腔内写真を撮るのだ」、「写真のプロではないけれど、口腔内写真はプロでないといけない」、という言葉が胸に突き刺さりましたし、口腔内写真に対する心構えが足りないと思いました。
今年からの新企画、チューターの先生方の「実力向上の歩み」も楽しみです。伊藤先生は恥ずかしいと言いながらケースを出していましたが、自分の恥ずかしいケースとは全く異なり本当に凄いなと改めて思いました。
(豊島区開業 菊川郁雄先生)
2010年救歯塾プログラムのご案内
メインテーマ「臨床技術のステップアップ」
歯科臨床において、どうしてもこれだけは身につけておかなければステップアップできない重要技術があります。救歯塾の特徴であるチュートリアル方式で学ぶことで、着実に実力向上ができるようになります。受講後には自信にあふれた自分に驚くことでしょう。さあ、一緒に学びませんか
第1回 4月18日(日)「プラークコントロールを見直す」
歯科治療の基本の基本がプラークコントロールです。
自分のプラークコントロールのレベルを知る
第2回 5月16日(日)「ルート・プレーニングの効果」
歯周治療のポイントは初期治療にあり、初期治療の重要性を認識
初期治療はルート・プレーニングがキモ、シャープニングを学ぶ
第3回 6月6日(日)「X線写真と歯内療法」
初診時のX線写真、鑑別診断のX線写真、歯内療法のX線写真
経過観察のX線写真、デンタルX線写真は医院の実力を現す
第4回 7月11日(日)「インレーから間接法を見直す」
インレーは印象採得、合着、適合などがよく分かる
模型の精度、咬合採得のレベル、咬合調整量などの見直し
第5回 9月12日(日)「前歯補綴のプレパレーションと印象採得」
形成のポイントと個歯トレーによる印象採得
前歯補綴の難しさ、シェードテイキング、マージン形成のポイント
第6回 10月17日(日)「パーシャルデンチャーの設計」
パーシャルデンチャーの設計、支台装置をマスター
設計のポイント、設計の手順、支台装置の考え方
第7回 11月14日(日)「受講前と受講後の比較をしよう」
課題:口腔内写真、歯肉の変化、デンタルX線写真などの比較
17:00〜懇親会
★救歯塾セミナー案内 2009年バックナンバー
2009年11月のセミナー風景
11月は最終回で、「受講者によるケースプレゼンテーション」と懇親会です。
今年のケースプレゼンテーションはすごくレベルが高く驚かされました。1ヶ月前には「どうすれば組スライドを作れるのですか?」という質問をした方が、よくまとまったプレゼンをしたのですから、指導したチューターが驚いておりました。
発表するまでの準備の大変さを超えて、人前で発表する緊張感を味わって成長することができるわけで、このプロセスを踏むことで自身の成長を体感できる喜びは格別のものがあります。
ケースプレゼンテーションをした方は、終わってからの懇親会のビールと料理の美味しいこと、きっとすごく印象に残る一日になったことと思います。
参加者すべての方から一言ずつ感想をお話しいただきましたが、皆さんとても自信たっぷりでしたし、「来年も受講したい」とうれしいお言葉をいただきました。
2009年10月の受講者からの声
昨日は、救歯塾でお世話になりました。藤関先生のインプラントの話は、シンプルで良くまとまっており頭の中でよく整理ができました。
「ぎりぎりにインプラントを埋入するのがうまいのではなく除去するときに安全にできるようにすることが大事」という言葉が特に心に残りました。実習も埋入時の傾きなど細かいコツをアドバイスしていただいたので大変参考になりました。藤関先生の講演で、トラブル症例をたくさん見ることができ普通の講習会では聞けない話をたくさん聞くことができました。大変貴重なお話であったと思います。
午後の木村先生の話でも腎移植など5年予後が非常に低い成功率であることを教えていただき移植に対する壁が低くなったような気がします。グループ討論は今回もまた難しいケースであったと思います。移植はできれば最高ですが、顎堤の幅に対する歯の大きさの問題など、机上では簡単に言えますが実際にやるとなると難しいと討論で感じました。
また若い先生方が素晴らしい意見をたくさん出しており若い内にこういう場に巡り会えているうらやましさと下からのプレッシャーに複雑な心境です。
そして最後の黒田先生のケースが何より驚きました。先生の移植のケースは見たことがなかったのでとても新鮮でしたし、どちらかと言うと否定的であったインプラントの長期経過をお持ちであったのが驚きでしたし、それが旧式なのにもかかわらずかなりうまくいっていることが驚きでした。
先生のケースをみていると移植にしろインプラントにしろ正常ではないということが分かった気がします。歯をなくさないように努力することがまずは大事だと思いました。
(受講者 菊川郁雄先生)
2009年10月のセミナー風景
10月はインプラントの実習を行いました。インプラントでは有名な藤関雅嗣先生を講師に招きました。藤関先生は現在東京歯科大学同窓会の卒後研修の委員長なので、救歯塾のチューターを一時休んでいますが、この日には特別にご協力をいただきました。
インプラテックス社のご協力で、受講者皆さんが実際に埋入実習を行いました。顎骨模型だけはこちらで買いましたが、エンジンとドリルなどのセットはすべてレンタルで使わせていただきました。ご厚意に感謝します。
2人一組でエンジンを使えましたので幸せです。午後にはインプラントが適応になるかどうかを実際の症例でグループ討論しました。そこでは、欠損歯列の読み方、その問題点、自家歯牙移植との適応比較などが中心話題で討論していきました。各グループごとに白版にプロジェクターで症例を映写して討論するのは、チュートリアル方式の特徴です。
2009年6月のセミナー風景
6月はシャ−プニングの実習をしました。歯周治療の基本はスケーリングとルート・プレーニングです。しかも歯周病の90%は初期治療で治療の成否が決まります。その初期治療の要がルート・プレーニングです。そのルート・プレーニングを成功に導くのがキュレットのシャープニングです。ルート・プレーニングを実習するために、事前に歯石の着いた歯牙の模型を渡して準備してきてもらいました。皆さんが持参したキュレットでルート・プレーニングをしていただき、そのレベルをお互いに評価し合いました。そして、キュレットのシャープニングができているものと、できていないものとを手で触って体感してもらいました。
白水貿易のセミナー担当の衛生士さんにお越し頂き、シャープニングのデモをしてもらいました。ペリオスターとエッジスターの両方のデモをしてもらい、エッジスターをお借りして、シャープニングの体験実習をしました。ペリオスターは高価ですが、エッジスターなら衛生士でも個人的に買える価格なのでオススメです。
ほとんどの歯科医がシャープニングができないことを自覚してもらいました。衛生士だからシャープニングが出来るというわけではありません。歯周治療のスタートはまずキュレットのシャープニングから始めましょう、というのが救歯塾のねらいです。手を動かして学ぶ、自分の実力に気づく、ステップアップの目標を見つける、これが救歯塾です。「目からウロコ」のセミナーです。
2009年救歯塾セミナーが始まりました
今年の救歯塾のテーマが地味だったせいか、申し込みがやや少ないようですが、それでも52名のお申し込みを頂き喜んでおります。リピーターが60%くらいです。初めて参加される方が20名ほどおられます。
どのようにしてこの救歯塾のことを知ったのでしょうか、不思議な気がします。今年も始まり私どもも緊張しております。あまり宣伝しなかったのですが、毎回実習的な要素を含んで、学んだことが身に付くように組み立てたいと考えています。
実習的なものをセミナーに入れますと、準備が大変なので、本音を言えばあまりやりたくないのですが、それを敢えて含むように努力したいと考えています。
セミナーの受講料が安価ですので、実習費を実費だけでもご負担願いたいとお願いすることにしてます。とにかく身になるセミナー、確実に実力がつくセミナーにしたいと心がけております。また勉強熱心な方々にお会いできるのが楽しみです。
2009年救歯塾セミナー案内
メインテーマ「経過観察は自己研鑽の礎」
インプラントの成功率は90%とも言われていますが、これはあなたの成功率ではありません。
自分で行ったインプラントの成功率はいかがでしょうか。それは術後経過を追跡しなければ分かりません。経過観察が必要なワケがそこにあります。
第1回 4月19日「経過観察はなぜ必要か」
自分の処置に自信ありますか、経過観察は自分の治療の評価をしてくれます
第2回 5月17日「経過観察にはこれが必須だ」
経過観察のための記録の保存・管理、経過観察で何を見るか
第3回 6月21日「クラウン・ブリッジの経過から」
前歯補綴の術後経過から
クラウン・ブリッジは何年保つか、ブリッジの術後トラブル
第4回 7月12日「経過観察から分かること」
経過観察の院内システム、リコール率、顧客管理、メインテナンス
第5回 9月13日「移植、インプラントの経過」
自家歯牙移植のトラブル、インプラントのトラブル
移植とインプラントの成功への道筋
第6回 10月18日「欠損歯列処置の経過から」
総合的診断のすすめ方、欠損歯列処置の術後経過、トラブルのいろいろ
第7回 11月15日「全員ケースプレゼン」
歯内療法、歯周治療、補綴の術後経過を含むプレゼンテーション
★救歯塾セミナー案内 2008年バックナンバー
9月の救歯塾セミナーの感想です
今回また「咬合」の関する勉強をさせていただきとてもよかったと思っています。「ゴシックアーチ」「チェックバイト法」「半調節性咬合器」、自分で臨床に取り入れてくると、さらに解らないことがでてきてるので再確認することができました。
今日グループ討論の時に何年か前の救歯塾で初めて「咬合」について教えていただいた時のことを思い出しました。「咬合器は道具である」という認識と「近似再現」という表現に目から鱗が落ちた思いをしたことです。チューターの西原先生のおっしゃってることに初めて救歯塾に参加された若い先生方がピンとこない気持ちがよくわかりましたので少し出しゃばって口をはさんでしまったのですが、私自身もっとしっかり整理しておかなければならないと感じました。
来月の学会でもそのことに触れますので…プレゼンのアドバイスもいただきまして本当にありがとうございました。
青森に着きましたら昨日ほどではないですが寒くて寒くて…今、ストーブをつけてメールしています。来月もよろしくお願いいたします。
(青森市 古川由美子)
救歯塾も今年で6回目の参加になりますが、知識や技術の整理を行ういい機会で勉強させていただいております。
2004年の実習ではスプリットがうまく合わず、大変悔しい思いをしましたが、あの時から現在では実臨床にも応用できるようになりました。一回だけの受講で、しかも聞いているだけでは知識として(それさえのこらないかも…)だけしかのこらずに終わってしまう。あらためて考えると救歯塾での受講の効果のすごさを感じます。
今回も咬合挙上について、レポートの為の勉強をし、あまり書籍では挙上してよいケースやしてはいけないケースについて載っていないような内容も実際の臨床のケースとして見させていただきまして、教科書以上の経験です。
また明日からの臨床に役立つよう努力していきたいと思います。また来月が楽しみです。よろしくお願いします。
(東京都 野地一成)
今回もまたいろいろと考えなおすところがありました。一番強く感じたことは、普段咬合器を触っていなかったということです。
ほとんど外注技工の現状では、印象とバイトを出すと補綴物が出来てくるという状態なので咬合器は触っておりませんでした。先生方が普通に話されている咬合器の部品の名前すらこれかな?という感じでした。またまさに宝の持ち腐れですが、アンテリアテーブルの調整の仕方やそれがどうして存在していたのか、また咬合器の持ち方や側方運動の動かし方など法花堂先生に教えていただき初めて知ったことが多々ありました。
またGoAトレーサーを実際に作ったことで、装置が引っかからないように作るとか口腔内に入れたときにがたつきがあるといけないなど、今回の反省点が反面教師になったと思います。
GoAは顎位診断にかなり有効であることはわかっておりましたが、実際は使えないケースも多々あります。顎位は基本的にいじらないという方針で良いかと思いましたが、たとえば片側しか咬合がない場合、当然片側咬みになっているはずですが、その顎位がずれているかどうかの診断が顎関節に異常がないかが一番の診断法ということでそこに不安を覚えました。本当にいろいろありがとうございました。
(きくかわ歯科 菊川郁雄)
受講者からの嬉しいメールです
*先日は、黒田先生、また救歯会の先生方には大変お世話になり、ありがとうございました。現在の病院に勤めて、まだ1年しか経っておりませんが、勤める前、見学に行ったときから、救歯会、救歯塾の話は聞いておりました。
とうとう自分が参加することとなり、当日は、ものすごい緊張感でいっぱいでした。いきなりの全体討論で、各々にマイクが回ってきたとき、自分が何を話せばいいのか、何を話したのかすら分からなくなるくらいの感じになりました。
また、グループ討論では、同じくらいの卒年度の先生が、あまりにも場慣れしていることに驚き、自分自身、劣等感を覚えました。一つの症例を診て、十人十色、考え方が違い、持つ感想も、考える難易度も違う。その一つ一つを吸収していく事が、今の自分にできるステップアップの方法であると感じました。本来であれば、積極的に発言し、討論する事が、グループ討論の本質であろうとは思いますが、私にとって、それは今年の目標の一つになると思います。
また、レントゲン撮影についてですが、勤務当初から院長に、常に気合を入れて撮るように言われてきましたが、その必要性を、たくさんのレントゲンを見比べることにより、なんとなく感じ取る事ができました。フィルムのポジショニングだけでなく、暗室内での作業がいかに重要か、コントラストや黒化度にどれだけ影響するかということを確認することができました。
今はまだ「なんとなく」ですが、それを「確信」に変えられるよう日々精進していこうと思います。
まだ救歯塾は始まったばかりですので、今後さらに、黒田先生や救歯会の先生方にはお世話になるかとはおもいますが、ご指導、ご鞭撻のほど宜しくおねがいします。
(東京都国立市木村歯科医院 永島圭悟)
*今年も救歯塾が始まり、いろいろ勉強させていただきましてありがとうございました。まず先生の冒頭の挨拶を聞き、5年前に初めて参加した時の事を思い出しました。先生の冒頭のお話はいつもぶれずに同じなんですね。でもそれが例えば黒田勉強会で抄読した豊永先生の言葉を引用していたなど、同じ言葉なのに新鮮な事があるのが不思議です。
それから今回、特にうれしかったことがありました。デンタルの全体討論で先生にレントゲンをほめていただいたことです。(途中で気がついたので名乗り出ませんでしたが実は下顎臼歯部でほめていただいたレントゲンは私のでした)
初めて参加した2003年の時はレントゲンの全体討論で凄く叩かれたので、自分の成長を実感いたしました。本当にありがとうございます。
それから今回悔しかったことはAグループで意見をまとめる係になったのに全然話をまとめらなかった事です。key toothを見抜くことまでは良かったと思ったのですが、その歯をどうやって持たせるか?というところから治療方針がひろがって行くのをまとめきれませんでした。これはやはり自分に診断能力が身についていない証拠と思いました。まだまだ未熟であると痛感させられました。
レントゲンもほめられたものの自分では反省することも多々ありましたのでこれから頑張りたいと思います。
(きくかわ歯科 菊川郁雄)
2008年救歯塾がまたグレードアップしました
救歯塾はチュートリアル方式のセミナーです。チュートリアルというのは、医学臨床研修に最も適したシステムです。自分で問題発見しながら発言し、グループ討論の中から自分の位置づけに気付く研修です。自分で「考え、発言し、気付く」なかから、自分の得意なところ、弱点がわかるのです。救歯塾のグループ討論は7〜8名の少人数で行います。こちらで準備した症例と、各自が用意した症例を使って討論していきます。
今年からスクリーンが中央と左右に1台ずつの3台になりました。そのため、実習のデモがより近くで細かいところまで見られようになりました。デモの机の前に大勢が重なって集まることが無くなりました。
デモをしているところをビデオカメラで撮影し、その映像をダイレクトに3台のスクリーンに映写する方式は、よく見えるし受講者に驚きを持って評価されました。チューターの打合せをしているときにこのアイデアが出たときには、よしやろうと直ぐ実行に移しました。
ただ簡単ではなくて、ビデオから分配機で3台のプロジェクターにケーブル接続が必要です。パソコンケーブルとは異なります。このアイデアはチューターの木村敏之先生によるものです。
当日映してみるまでは、うまくいくかどうか不安で、ヒヤヒヤものでした。
2008年救歯塾セミナー案内
メインテーマ「フルマウスへ挑戦」
1歯の診断を積み上げてもフルマウスの診断はできません。一口腔単位の診断と叫ばれていますが、そう簡単なものではありません。
患者さんの口腔内には齲蝕や根端病変や歯周炎や欠損歯列や咬合欠陥など多くの疾患が絡み合って存在しています。それらを整理しながら診断し処置方針に結びつけたいものです。
第1回 4月20日「1歯の診断から全顎診断へ」
キートゥースの見方・読み方、難易度評価法、1歯と全顎との関連
第2回 5月18日「重症歯の救済は歯内療法にあり」
歯内療法を確実に行う、確実な根管充填、透明根管模型で実習
第3回 6月8日「補綴の経過は歯周治療が決める」
補綴処置と歯周治療のマッチング、切開と縫合の実習など
第4回 7月13日「ブリッジを再考する」
ロングスパンブリッジ、延長ブリッジは安全か?テンポラリーの実習
第5回 9月28日「咬合治療の考え方、咬合挙上の是非」
咬合治療の診断とすすめ方、咬合挙上できる症例、してはいけない症例
第6回 10月19日「フルマウスの診断・処置方針」
ブリッジ、自家歯牙移植、インプラント、可撤性か固定性か、治療手順
第7回 11月9日「全員ケースプレゼンテーション」
歯内療法、歯周治療、補綴のどれかを含むプレゼンテーション
★救歯塾セミナー案内 2007年バックナンバー
2007年救歯会終了後の受講者からの感想
今回がはじめての参加となりましたが他の勉強会と違い頭を使うので、終わった後には頭がクラクラする日々が続きました。でも、嫌な疲れはなく充実した日々を過ごす事が出来ました。
受講しているだけでこれだけ疲れるのだから、黒田先生をはじめティーチングスタッフの方々は…と考えると足を向けて眠れません。今回は「コーヌスクローネ」という本題がありましたが、グループ討論という形でしたのでそれにまつわる様々な議論ができましたので、とても楽しかったです。来年も参加したいと思いますのでご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
(H13年卒 西東京市 島野 圭介)
今年もアッという間に救歯塾が終了してしまいました。3年間受講させていただき私の歯科医人生、臨床は大きく変わりました。
特に今年のコーヌスクローネは本当に目から鱗状態で大変勉強になりました。改めてコーヌスクローネは素晴らしい!と痛感させられました。尻込みせず積極的に治療に取り入れようと思います。
今まで行なってきたコーヌスは何だったのだろうか…と恥ずかしく思え患者様に申し訳ないと思いますが、これからの私はチト違うぞ!と言えて頑張れるような気がします。
救歯塾に参加させていただき色んな先生にめぐり合えて、私は本当に幸せだと思います。
(S59年卒 足立区 月山光健)
今回の塾で黒田先生の患者さんに対する思い、一本の歯に対する情熱は充分すぎるほど伝わりました。そこにチューターの先生方が共鳴されているんでしょうね。自分も気持ちだけは負けないように明日から臨床に取り組んでいくつもりです。コーヌスクローネの本はその羅針盤として大切にします。本当にありがとうございました。そしてお世話になりました。
(H6年卒 早田 孝)
大勢の前で発表する機会を与えていただけた事は本当に幸せだったと感謝しております。チューターがいないなかスライドを一人で仕上げるのはこれでいいのかなと不安でいっぱいで、何度も最終日は欠席してしまおうか悩んだものでしたが、自分から逃げる事はしたくなかったのでなんとか発表まで持ちこたえました。
私は今回初めての参加でしたが、きっかけは大学の同級生の誘いでした。コーヌスと言ったテーマは、私の臨床にはまだまだ生かしきれないレベルの高いものでしたが、今回参加した事で臨床への姿勢と様々な見方が習得でき楽しかったです。次回も是非参加したいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。
(H15年卒 世田谷 阿部紘子)
私は、救歯塾3年目のリピーターとしての参加でした。月1回の救歯塾は、本当に日々の臨床に繋がる気付きのあふれるもので、毎回緊張しつつもとても楽しみにしておりました。
最終回の宿題のレポートは、今年のセミナーで学んだことと、先生はじめ、チューターの先生方への心からの感謝の気持ちを込めて、1年を振り返りながら書きました。
今年はコーヌスクローネを学ぶというテーマのもと、沢山の貴重な長い経過の臨床症例をもとにしたレベルの高いセミナーを本当にありがとうございました。
(H16年卒 埼玉県 関原理恵)
セミナー風景…2007年の救歯塾はすごい反響です。
受講者が作製してきたコーヌスクローネの内冠を朝すぐデジカメで撮影して、その問題点をスクリーンに映写してコメントをする。受講者は自分の内冠がどのようなコメントをされるか、ドキドキ、ヒヤヒヤでうっかり眠ってなどいられません。グループ討論では、グループのメンバーの内冠を見ることができて、色々あるんだということに気付く。自分の内冠と比較ができます。
内冠仕上げのためのミリング技法のデモを行いました。ミリングマシーンを触ったことがない方は、触って動かしてみて、削ってみて、すごく感動したようです。
この機械を欲しいという方がおりましたが、残念ながらすでに製造停止です。コーヌス鉗子も手に入りません。コノメーターも入手できません。一時は猫も杓子もコーヌスクローネだったのに…。
どうしてもという方にだけは、コーヌス鉗子やトランスミッションスクリューや6度のテーパーツールなどをお分けすることにしました。メーカーとの交渉も難航しております。
5個や10個程度しか売れないものはメーカーも作りませんので、メーカーだって利幅の大きいインプラント関連機材の製造に熱が入るわけです。困ったものだと思います。
もし欲しい方がおられましたら、8月20日頃までにお申し出下さい。
2007年救歯塾セミナー案内
メインテーマ「コーヌスクローネ、成功への道」
*少数歯残存症例にはコーヌスクローネが最適です
*インプラントが普及しても少数歯残存には不適です
*コーヌスクローネは高齢者に最適です
*コーヌスクローネの特徴が見直されてきています
*コーヌスクローネをきちんと学べるところがありません
第1回 4月15日「間違いだらけのコーヌスクローネ」
支台歯数の多さ、67欠損に片側処理、間接法の理解不足など
第2回 5月20日「支台歯形成とコノメトリー」
支台歯形成と軸面角度、形成チェックとサベヤー
第3回 6月17日「印象採得と間接法」
個歯トレーによる印象採得、レジンコーピングによる外冠印象
第4回 7月22日「裏ワザ-内冠軸面を全周6度」
コーヌスクローネ成功の鍵は内冠にあり、内・外冠との関連
第5回 9月9日「試適と完成までのチェック事項」
内冠・外冠の精度、鑞着かワンピース鋳造か、チェック項目
第6回 10月21日「コーヌスクローネのトラブル」
維持力の問題、術後の管理、内冠脱離、歯根破折、義歯破折
第7回 11月11日「全員ケースプレゼンテーション」
パソコンプレゼンを身につける
★救歯塾セミナー案内 2006年バックナンバー
インプラントの実習に評判最高(2006年)
インプラント実習風景です。
実習デモをビデオ撮影して、それをプロジェクターで投影する方式が好評。ビデオ光源にリング式LED(口腔内撮影用)を転用するアイデアは木村敏之先生。 |
実習デモをプロジェクターに映すと拡大されてよく見えると評判。 |
青森からの参加者だが、きわめて熱心。感想をメールしてくれた。(別記) |
50名余の受講者に2名1組みとなっての実習器材レンタルは贅沢だ。エンジンを25台も借りられた。 |
受講者からのうれしいメールです
セミナーの感想が送られてきました。大変熱心な受講者で、青森県野辺地町からの参加です。以下が文面です。
「救歯塾の先生のご尽力により、ノーベルバイオケアをはじめ多数のインプラント業者が一同に集まって資料を配布していただき、先生のお力のおかげでたくさん見せていただきありがとうございました。また実習という、貴重な経験をせていただきました。百聞は一見にしかずです。自分は鈎引きでしかインプラント手術を体験したことがなかったので、とても勉強になりました。
普通は主催メーカー一社のみとタイアップしたドクターの講習会、セミナーのみと聞いております。今回、このような多くのメーカーをお集めになっていただいたこと、感動しました、このようなセミナーが拝聴したかったのです。
また救歯会の諸先生方のプレゼンはいつもとても明快です。毎日の臨床でもそうなのでしょう、説得力のある話し方に、スタッフふくめて先生方の実力のすごさに感服しています。
自分の臨床のレベルがどのくらいなのか、全体討論ではいつもどきどきしつつ、しかし楽しみながら参加しています。密室の診療にならぬよう、これからも努力する所存です」
デジタルプレゼンテーションの研修内容を追加します
受講者の方々の口腔内写真を見ていると、デジタルプレゼンに悩んでいるのがよく分かりました。最終回には全員のケースプレゼンテーションがありますので、早く準備をしなければなりません。
第3回目から特別企画として「デジタルプレゼンテーション」の研修を時間延長して行うことにしました。希望者だけですが…。
特別企画「デジタルプレゼンテーション」を時間延長で行います。もちろん無料です。
全体討論とグループ討論が楽しいです
救歯塾は講師の話を聞くだけの講演形式は少なくて、受講者参加型の全体討論やグループ分けによる討論などで、臨床研修にもっとも適した研修形式を行っています。
初参加の方は、最初はややとまどいがありますが、すぐ慣れてどんどん発言するようになります。発言することで、自分の分かっていることと分かっていないことがクリアーになります。
グループ討論は10名くらいの少人数で討論しますから、個人に合わせた話題を討論することができます。毎回、宿題が課せられます。これも最初は重荷と感じるでしょうが、その日に学ぶ課題の予習になりますから、実り多い研修につながります。
今年は第4回目にはインプラントの埋入実習があります。使った模型は持って帰れます。実習費も頂きません。
2006年救歯塾がスタートしました
今年も50名を超える受講者の参加があって、うれしい悲鳴を上げております。ほとんど宣伝をしていないのに、リピーターが30名で、まったくの初参加が22名ですから、不思議に思っています。
リピーターに参加して頂けるのには、それなりの満足感がなければあり得ないことですから、30名もリピーターの方々が参加して下さることには、ほんとうにうれしく思っております。
初参加の方々は、どうして知ったのか、どうして参加する気になったのか、不思議に思います。私のホームページか、リピーターの口コミしかないのに、それでも20名以上も参加して下さることに、驚きと同時に感謝しております。
今年は年間7回と去年よりも1回多くしましたし、その最終回には「全員ケースプレゼンテーション」としましたから、ただ参加するだけという方は躊躇したでしょうから、ほんとうに勉強したい方が参加してこられたのですから、企画する側はプレッシャーを感じております。
救歯塾の案内
一般的に歯科医がもっとも苦手な分野に取り組みます。救歯塾は欠損歯列がもっとも得意な分野です。いまやインプラント抜きには考えることができない時代になりました。
インプラントの導入から発展系までプログラミングしました。インプラントだけではなく、パーシャルデンチャーや自家歯牙移植まで取り入れているところが救歯塾の特徴です。
欠損歯列を幅広くとらえて、その対処法を偏りなく検討しようという試みです。
それともう一つ特徴があります。最終日に、受講者皆さんのケースプレゼンテーションで1日を学ぶことにしました。ケースプレゼンテーションすることで、受講の成果と次年度の課題を知ることができます。
毎回ケースプレゼンテーションに関する話題提供を組み込みます。身になる研修をお手伝いします。是非お申し込み下さい。
嬉しいメールが届きました
昨年、ゴシックアーチを用いた咬合採得をセミナーから1年経ちまして本日挑戦することができました。昨年の救歯塾で頂いた資料を見ながら教わった通りに行いましたら、初めての私でもスムーズに診療が行えました。
去年参加しなかったら一生ゴシックアーチ描記装置を使うようにはならなかったかもしれませんし、もし使ったとしてもこんなにスムーズには診療で応用できなかったと思います。本当にありがとうございました。
今まで臨床で行ったことのない治療を苦になく挑戦させてしまう救歯塾は本当に素晴らしいと思います。
(永島久美子先生)
救歯塾セミナー 2006年プログラム
メインテーマ「欠損歯列に強くなる」
第1回 4月16日「欠損歯列の読みかた」欠損歯列のキーワードを理解しよう
第2回 5月21日「パーシャルデンチャー設計実習」パーシャルデンチャーの設計原則を学ぶ
第3回 6月11日「インプラントの導入を考える」インプラントを自分の臨床に位置づける
第4回 7月2日「インプラントで補綴はどう変わる」インプラントの適応の拡大と今後の課題
第5回 9月10日「PD、歯牙移植、インプラント」処置方針の立案、治療計画を学ぶ
第6回 10月15日「少数歯残存症例に取り組もう」欠損歯列の咬合再構成を学ぶ
第7回 11月12日「全員ケースプレゼンテーション」 パソコンプレゼンで自分の位置確認
★救歯塾セミナー案内 2005年バックナンバー
救歯塾終了しました。受講者からの嬉しい感想(2005年)
★今年もパワフル黒田先生のセミナーに参加させていただいて、毎回参加する度に気持ちを奮い立たせていただいております。
4年目なのにパソコンプレゼンを未だしていなかった自分が、今回プレゼンをさせていただけるような状況を作っていただいた救歯塾に、感謝申しあげます。また、発表を行うことにより、「前進する力」をセミナー受講者の諸先生から分けていただきました。一緒に発表していた他の先生方の考察や思慮の深さに驚嘆するとともに、いつまでも「あすなろ」でいた自分を反省しました。
(青森県上北郡野辺地町 野坂庸子先生)
★今回のテーマ「歯根膜」は、まさに私にとって一番知りたいテーマでした。初回からのレントゲン撮影の精密さ、映像の読み取り方など、どれも中途半端な目で見ていたことを、恥ずかしく思いました。
うちは普段ペリオの患者さんが多く、今回の救歯塾のテーマの資料としては宝の山状態で、幼稚な表現ですが、「歯根膜ってすごい!」と毎回思うようになりました。
そして一年前の私とは違った視点で多少なりとも見られるようになったかな、と思っています。
これからの私の課題は、移植にトライすること!最終回に発表された先生方やチューターの先生方に触発されて、熱の冷めぬうちに、まず一度経験できればと思っています。
(青森県黒石市 中村 忍先生)
★発表のチャンスをありがとうございました。一年間詰めた自分への褒美にヨドバシでたいへん散財しました。
また、法花堂Aグループではわたしの発言にたいして、法花堂先生の本音を聞くことができたいへん有意義でした。ガム模型は活用させていただきます。またまた、わが技工士くんとの話題が広がりそうです。
(山形県新庄市 五十嵐 祐先生)
★とうとう今年度の救歯塾が終わってしまいました。
初めて参加させていただきましたが、一言で感想を言うと、「こんな厳しそうなのに楽しいセミナーは初めて」です。自分の今のレベルがどうなのか理解できているところ、できていないところを引っ張り出されて、どんどん変わっていく自分が楽しく感じられました。
「毎回持って来ないと損だよ!」という先生のお言葉を真に受けて、毎回自分で何か持って行こうと決めて自分の迷っている症例を持って参加はしましたが、チューターの先生方も嫌な顔せずにいろいろお話して下さり、その成果あってか最後のテーマの自家歯牙移植に取り組むことができました。
今年救歯塾に参加していなかったら、到底自分ではしようとも思わない内容で、一歩前進できた気がします。いろんな先生が受講されていて、(年の近い、また私より若い先生方もいて!)ものすごく皆さんが熱心なのに刺激を受けました。名古屋から来ると始発の新幹線になり、初めて移動した時は慣れない移動に大変で「これから大丈夫だろうか?」とも思いましたが、今から来年が楽しみです。始まるまでの半年間研鑽したいと思います。
(大阪府 ○○理佳先生)
★私は大学を卒業した後、大学病院に勤務していましたが、私がアシストした症例はインプラント除去手術がほとんどでした。埋入はほとんど見ておりません。いずれ除去をしなければならないインプラント手術は将来しないことを私は決めてしまっておりました。
しかし先日の10月23日のたった1日のセミナーで私の意識に変化があらわれました。
例えば歯根破折等で抜歯をする予定の症例の場合は、もう少し勉強をして自分でインプラントを埋入することも考慮していいのではないかと思いました。そして先日のテーマである歯牙移植も検討してみようと思いました。「残存歯を守るという目的で外科手術をする」というモチベーションがあれば私も挑戦する意欲が湧くようです。
「絶対したくない」と決めていたものを、「挑戦してみよう」という気持ちにさせられる不思議な力が救歯塾というセミナーにあります。これは主催者であられる黒田先生の嘘偽りのない真の素晴らしいお力なのだと思います。この救歯塾セミナーに参加できたことに心より感謝を申し上げます。
(神奈川県川崎市 永島久美子先生)
★今年の救歯塾は今月で終わりましたが、先生のおっしゃられた言葉の数々を心に留めて、日々の臨床に取り組む毎日です。毎回、内容の濃い、素晴らしいセミナーでした。
学んだ内容を、すぐ次ぐ日の臨床に生かそうと感じられるものでした。今年初めての受講でしたが、大変お世話になり心よりお礼申し上げます。
"歯根膜"について、とても奥深いものであるということをあらためて知るよい機会となりました。これからは、まずは一口腔単位で考えた後、歯根膜の大切さを考慮した一歯単位の治療をしていきたいと思います。今後とも、ご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
(昭和大学平成16年卒 勤務医 関原理恵先生)
リピーターからの嬉しいメールです
他の歯科医の前で発表するケースプレを経験してみて、発表の前までは救歯塾でものすごく貴重な知識や技術を4年間積み上げてきた自負があったのですが、それら断片的なものをまとめ上げるための診断力が決定的に欠けていると分かってきました。
今回の救歯塾のテーマであるデンタルX線は、わたしにとって実にタイムリーな内容でありました。とくに日高先生の発表に感銘を受けました。デンタルの質が向上すればするだけ診断力をよりいっそう高めてくれるツールなんだと再認識しました。
自分のケースでは的確に診断をするためにデンタルX線をさらに上質に仕上げること、他の歯科医のきちんと診断された良質のケースプレをたくさん見ること、やるべきことはこの二つに決まっているように思います。
黒田先生からお借りした「あるスタディーグループの歩み '80」は、いまから30年も前に良質の歯科治療をめざして取り組んでいるドクターたちの仕事が満載している宝の本です。今回の自分のケースプレを前にいくつものヒントをいただきました。
とくに黒田先生の「治療の進め方」はくり返し読ませていただきました。簡単ではないので忘れてしまうのですが、読み返すたびに理解が増してくる感がありました。30年前に執筆された先生方のレベルに到達できない不甲斐なさを感じます。
(山形県 五十嵐 祐先生)
五十嵐先生は、山形県新庄市から通ってくる熱心なリピーターです。いつも好奇心の旺盛さに驚かされています。「X線写真の質が向上すると、診断力があがる」というのはその通りで、X線写真1枚に歯科医の実力が出てしまいます。
それだけに、X線写真は怖いものです。「あるスタディー・グループの歩み」はジーシー友の会会員向けに出版されたもので、絶版ですから入手できません。
私が火曜会に入れて頂いて間もなくのものですから、30歳代の未熟な内容です。それでも感銘を受けて読んで頂き強縮です。
救歯塾始まりました---嬉しいお便りです
第一回目の救歯塾、ありがとうございました。いつもはじめは緊張してしまいます。(その後は宿題があるので、緊張してる間がないです)
今回またX線写真についてのお話をしていただき大変うれしく思いました。リピーターといっても一度うかがっただけでは解からない部分もありますし、新たに抱えた問題の解決の糸口をいただいたりもしました。おかげさまで解決策を模索中です。
次回のプロービングも以前の資料を見たり自院のシステム、スタッフの状態を見直したりして日々の診療を再考する機会をいただいてると思っております。私にとって救歯塾は「歯医者を続けていくモチベーション」になってるような気がします。
(こがわ ゆみこ先生)
この「歯医者を続けていくモチベーション」という言葉に感激しました。よしやろうという元気が出てきます。こがわ先生は、青森からわざわざ受講されているリピーターです。こちらの方が感謝申し上げたい気分です。
第1回目は、X線写真と歯根膜という題でしたが、X線写真の質を上げないと歯根膜が読めないので、結局はX線写真の質を上げようということになります。
救歯会の奥平紳一郎先生に特別講師を頼んで、マニアックな部分も披露してもらいました。
救歯塾は特別講師が講義してくれます
今年も参加者が多くて喜んでいます。今年の受講者は幸せです。特別講師が2名も講義をして下さいます。
第1回に奥平紳一郎先生が救歯会のメンバーですが、賛助講演をして下さいます。愛知県岡崎市からたくさんの資料を持ってお話してくれます。
それに、医科歯科大学助教授の新田 浩先生が第3回に「ルート・プレーニングの考え方の変遷」と題して、歯根膜を傷つけないルート・プレーニングを求めてお話しして下さいます。
受講される先生方は期待して下さい。
救歯塾をお申し込みください
今年はリピーターの方々を対象にプログラミングをしてみました。昨年の最終回に受講者の方々にご意見を伺いましたら、ベーシック的な内容も魅力だけど、さらに進めたモノも受けたいという意見が多かったものですから、新しいテーマにしました。
「歯根膜」はとても大切な組織です。歯の生命線です。歯が残れるかどうか、回復できるかどうか、保存が無理なものなのか、これらはすべて歯根膜が鍵を握っております。
歯根膜の診断には「X線写真」が重要です。歯根膜の読めるX線写真をそろえるのは結構困難なものです。そこからスタートして、1年間を歯根膜中心で研修したいと思います。きっと楽しいセミナーになることでしょう。
是非また参加してください。お待ちしております。
救歯塾のプログラムができました
メインテーマ「歯根膜を中心に歯科治療を考える」
----歯根膜は歯の生命線-----
第1回 4月17日「X線写真から歯根膜を読もう」歯根膜の読めるX線写真を撮ろう
第2回 5月29日「付着の喪失と歯根膜損傷」アタッチメントロスとプロービング
第3回 6月19日「歯根膜の診方、読み方」口腔内の問題発見、歯根膜診断から処置方針へ
第4回 7月24日「歯根膜を活かした治療」歯根膜を治療に活かす→MTM、自然挺出、矯正治療
第5回 9月11日「歯根膜損傷修復術の歯周外科」歯根膜を考慮した歯周外科、縫合を練習する
第6回 10月23日「歯根膜と自家歯牙移植」自家歯牙移植の成否は歯根膜が握っている
★救歯塾セミナー案内 2004年バックナンバー
救歯塾が臨床研修医教育に影響する?(2004年10月12日)
臨床研修医の教育を受け持っておられる大学の専門の先生が、救歯塾を見学しながら受講者と同じ体験をされました。最初は1〜2回の見学だろうと予想していたのですが、なんと6回全部を受講され、その熱心さに驚きました。
そして、受講者と同じように咬合器を持参され、実習にも器材を持参されて、受講者と同じように体験学習されました。このような熱心な教育者に教わる学生はなんと幸せなことかと羨ましく思います。その先生から嬉しいメールをいただきましたので、ご紹介致します。
★救歯塾ではお世話になりました。黒田先生の情熱には驚かされました。チューターの先生方も、どんな質問にも熱心に答えていただき、知識だけでなく実際に自分で臨床をやられているので、一つ一つの言葉に重みを感じました。
また、人柄がすばらしい面々であり、黒田先生のご薫陶の賜とお察し申上げます。
受講生は、真剣に取り組んでおられる方が多く、これも黒田先生をはじめ信頼できるチューターがいればこそと救歯塾の発展が良く理解できました。
救歯塾で学んだスモールグループディスカッション、症例発表、レポート等、今後研修プログラムに取り入れていきます。
東京医科歯科大学大学院・包括診療歯科学講座 歯科医療行動科学分野 新田 浩
受講者からの嬉しい感想(2004年10月8日)
★救歯塾、お世話になりありがとうございました。
黒田先生の熱意と気迫?が伝わってくる斬新な企画と趣向で、本当にあっと言う間の6ヶ月間でした。また、緻密なスケジュール運営と教育的ケープレ、黒田先生のバックアップ等、救歯会の先生方の一糸乱れぬ動きにも圧倒されました。
臨床家は、全ての分野を同レベル(60点以上?)でこなせなければならない。一番苦手な分野から水漏れしてしまい、総合レベルが下がる。と言われますが、私にとって『咬合』が水漏れ分野です。卒後29年も経って、お恥ずかしい話ですが、臨床歯科を語る会に出席するようになってから特に強く思うようになりました。『咬合の大切さを見直す』という今回のテーマに惹きつけられ、後先も考えずに受講の申し込みをしてしまいましたが、息子と同年代の先生方と机を並べて教えを請う恥ずかしさも正直ありました。全6回が終了した今、出席して本当に良かったと思っています。
提出物やレポートの宿題を課せられたこともあり、実学となりました。絶版になった1977年の『調節性咬合器』を榎本一彦先生にお借りして何度も読み返したのを始め、黒田先生ご推薦の『臨床咬合学事典』、咬合器、咬合論、Go-A等々、頭の中は咬合の大洪水でした。お陰さまで、以前は読んでいても頭の中になかなか沁み込まなかった"咬合"が少し理解できるようになりました。
また、グループ討論の時間に、黒田先生の長期経過症例やその解説を直接聞くことができたのも、とても楽しく興奮する時間でした。
"絶品のスプリットキャスト"に出会い、使いやすい咬合器を廉価に求めることが出来たのも嬉しいことでした。使い勝手の良い道具を追求する先生の一貫した姿勢にも畏敬の念を持っております。
黒田先生と違って、ともすれば易きに流されてしまう凡人ですが、少しずつでも臨床のレベルアップを続けていこうと改めて思っております。(ちょっと恥ずかしいのですが、、、"継続は力""向上心"好きな言葉です。)
本当に、ありがとうございました。救歯会の先生方へも御礼の気持ちを伝えていただけますと幸甚です。(横山かやの)
★今年の救歯塾も、大盛況のうちに終了しましたが。一年間お疲れ様でした。受講生も、親しみも増してきて、ほとんどの人が未体験のゴシックアーチや咬合器の調節をアットホームな雰囲気の中で勉強できたので、みんなあれだけがんばれたのではないかと思います。余暇を割いての黒田先生はじめ講師の方々の縁の下でのご準備は計り知れないと推察します。ほんとうにありがとうございました。(林 智子)
★黒田先生、救歯塾ありがとうございました。何回受講しても、自分の未熟さを知らされます。特に今回は若い先生方の成長の早さを感じました。又、明日から自分の臨床を底上げしたいと思います。(山本一宇)
2004年セミナー盛会で終わる(2004年10月12日)
最終回は受講者によるケースプレゼンテーション大会です。36名出席者のうち、30名の発表者でした。昨年よりも確実に上がった臨床レベルに嬉しくなりました。
「スゴイ!」と思わずうなってしまうような発表もあり、嬉しくなりました。
川端智大 | 「演題なし」お伺い症例 |
---|---|
黒田昌崇 | 咬合に気を付けたインレー |
安達 亮 | 上顎フルブリッジのフレーム試適時不適合をリカバリーした症例 |
依田和久 | 鋏状咬合の一症例 |
苅谷憲明 | Bridgeの咬合採得に苦慮した症例 |
野坂庸子 | 吐き気を伴ったEichner B4症例への処置 |
吉野浩一 | 「演題なし」お伺い症例 |
溝上智子 | 咬合再構成の必要と思われる症例 |
横塚 亮 | ブリッジの形成 |
青田邦宏 | 咬合崩壊寸前症例のおうかがい |
阿部晃子 | 補綴するスペースがなくて困った症例 |
高梨琢也 | 咬合採得で悩んでいる症例 |
永島久美子 | 少数歯残存症例 |
長野泰弘 | 全顎的に咬合再構成を行った症例 |
矢ヶ崎隆信 | 前歯の最終補綴に迷っているケース |
楢崎正子 | 咬頭嵌合位の再現〜模型と口腔内との比較〜 |
松枝恭俊 | 咬合の左右均等を図った一症例 |
中村 忍 | Eichner B4症例の補綴設計 |
菊川郁雄 | ゴシックアーチを用いて咬合採得を行った症例 |
原田泰光 | 重度歯周炎ですれ違いになりそうな症例 |
古川由美子 | 前後的すれ違い咬合にゴシックアーチ描記法を用いて対処した症例 |
横山かやの | 7年経過症例におけるGoAをどう読むべきなのか? |
五十嵐 祐 | 右上1番を失えば前後的すれちがいになる症例に咬合再構成を行った |
島倉洋造 | 多数歯修復にGoAを使用した一症例 |
山本一宇 | 少数歯残存にコーヌスクローネを応用した症例 |
三橋健一郎 | コーヌスクローネの1症例 |
福山 愛 | 初めてのゴシックアーチ |
日高大次郎 | 補綴物の内面適合について考え |
野地一成 | 大臼歯の修復時の外面精度に着目した症例報告 |
斉藤秋人 | GoAから分かる事(途中経過の中の変化) |
目から鱗のセミナー(2004年9月12日)
自分の口腔内でゴシックアーチを描記してみたり、チェックバイトをお互いにとってみたりしながら、スプリットキャストプレートを合わせていくときの瞬間が見物でした。
私がデモをして、咬合器の調節部分に油を注入してから金属製スプリットキャストプレートをゆっくり降ろしていったら、矢状顆路角や側方顆路角が自動的に決まってしまうというのを、目の当たりにしてみている顔のまるであっけにとられた表情を、いまでも忘れることができません。
「へー」とか「わー」とか、言葉にならない言葉を発しながら、しばらく続いた沈黙は、見物でした。
「聞くと見るのは違う」「見るのと自分でやるのはもっと違う」というのを体験してもらったセミナーでした。その後、咬合器の注文がやけに多くなりました。嬉しい悲鳴ですが…。
熱気がムンムンのセミナー(2004年7月11日)
近年すっかり話題のなくなった「咬合」ですが、これほど皆さんが「咬合音痴」になってしまったことにその責任をどこへ問えばいいのかと憤りを感じます。
技工離れの歯科医が増えたこともその一因かもしれません。咬合音痴と技工離れの現状で、インプラントばかりが推奨されたらどのような結果が待ち受けているかを想像すると、鳥肌が立つほどの怖さを感じます。
そのツケが患者さんにばかり行くようでは、これまた医療不信で、歯科に未来はないと言えます。
ところが、救歯塾では、毎回熱気があふれるセミナーで、受講される皆さんがいつも興奮気味で、グループ討論でケンケンがくがくのディスカッションのすえに、ヘトヘトになって帰路につくという状態です。
咬合器への注文も多いし、金属製スプリットキャストプレートの注文も多いし、なんといってもゴシックアーチ描記装置のセットが300組も注文が出るなんて…、その熱意に驚いています。いかに今まで、このようなセミナーが無かったかということを物語っているのではないでしょうか。このセミナーをやって良かったナーと思っています。
救歯塾が始まりました(2004年4月21日)
2004年の第1回救歯塾が4月18日に行われました。おかげさまで今年は47名の参加が得られました。19名の新しい方と28名のリピーターです。そのうち4年間の連続受講が8名おられます。ほとんど宣伝もせずにこれだけの方が集まって下さったことに驚きと喜びを感じています。
リピーターが多いことで、同じネタが使えませんので、毎年更新しなければならず、新鮮味と魅力をどう発揮するかといった面で、こちらの対応が求められています。
製造停止になったHanau-H型咬合器を作ってくれるところとも交渉がまとまりましたし、スプリットキャストプレートもお分けすることができます。
参加者には、咬合器とスプリットキャストプレートと口内描記装置を実費でお分けできます。これも大変魅力だったようで、それで受講者が多く集まって下さったのではないかと思います。
2004年救歯塾のご案内(2004年1月4日)
近年、咬合に関する話題がなくなって久しい気がしています。雑誌や書籍で、「咬合器、間接法、顎運動のトランスファーなどの話題を見かけることがありません。
それらを必要としないわけではないのに、どうして取り上げてくれないのでしょうか。この5年ほど、咬合が分からないまま臨床で苦しんでいる方々を多く目にします。
咬合は目に見えない部分が多いので、理解しにくいでしょうから、手と体を動かしながら学ぶ企画を考えました。
咬合器やスプリットキャストプレートやゴシックアーチ描記装置などを廉価でお分けします。テーブルデモや実習的な要素を含んで学んでいただきます。是非お申し込み下さい。
メインテーマ「救歯学、咬合の大切さを見直す」
第1回 4月18日「クラウン・ブリッジの印象採得」
寒天・アルジネート印象採得とレジン個歯トレー法の特徴
第2回 5月16日「咬合採得と咬合調整」
咬合採得の成否は咬合調整量に出ます。咬合採得を再考します
第3回 6月13日「間接法の問題と技工」
補綴処置は間接法に頼っています。間接法の問題点、限界を考えましょう
第4回 7月25日「口内描記法とそのポイント」
口内描記法の必要性、ゴシックアーチとは
第5回 9月12日「調節性咬合器の適応と活かし方」
咬合器の必要な症例とは、咬合器の活かし方
スプリットキャスト法、チェックバイト法
第6回 10月3日「咬合再構成の進め方」
なぜ咬合再構成なのか、適応症例とは、症例の見方・読み方
咬合崩壊の診断、少数歯残存症例でステップを学ぶ
★救歯塾セミナー案内 2003年バックナンバー
救歯塾盛会に修了しました(2003年10月11日)
10月5日の救歯塾最終回は、全員によるケースプレゼンテーションです。30名の方が発表してくれました。今年はすばらしい内容で、嬉しいというよりその急成長ぶりに驚きました。
昨年は、発表になっていないケースプレが半数ほどありましたが、今年は聞き応え、見応えのある内容のケースプレゼンテーションでした。
X線写真の質を問題にしますので、スライド発表を原則にしましたが、パソコンの発表が5名ほどありましたが、これも昨年はとても発表になっていなかったのですが、今年はパソコンの方も内容が良くてすばらしいものでした。
来年は救歯塾の内容を再検討しなければと、企画を練り直すことにしております。
受講者からのメール(2003年5月)
高知市開業の小松三朔先生(私より10年ほど先輩)からのメールです。
第2回救歯塾では大変お世話になりました。早速患者さんへの説明をして 将来を見通して歯牙の保存を進めることにしました。(私の症例は一寸手遅れかな?歯根膜も破壊して…)
今までの自分であれば対症療法に逃れて安楽死に至るまで手を拱いていたでしょう。先生の貴重なデーターを拝見し今まで漫然と診療を続けてきた事が悔やまれます。
記録の必要性は解っていても実行しなければ何時までたっても進歩はありません。企画に基づいたデンタルX線写真、口腔内写真の管理とそれ等を読み取る力量を養い常に経過観察をしながら適切な診療方針を求めてゆくことの重要性をしみじみ感じました。
「3年くらい抜かずに放置するのなら誰でもできるが、5年、10年の見通しをたてて救済することが求められる。」と先生に教えられ深く反省致しております。
これから10年以上診療が続けられるかどうかという歳になって慌てふためいても仕方が無いかもしれませんが、せめて歯壊者には成らないように頑張らなければと思っています。
「知っていても出来ない」(知っていてもやらない。最低ですね!)事が沢山あり過ぎますが、今後は出来る事は辛くても的確に実行しなければと思っています。
受講者からのメール(2003年4月)
滋賀県長浜市からの泉 英之先生からのメールです。
先日、救歯塾にはじめて参加させていただきました。衝撃が大きかったです。
今、臨床経験3年で、これまで時間があれば本を読み、夜遅くまで技工をやり先輩のDrに怒られながら自分なりに一生懸命勉強して修行してきたつもりでした。
しかし、今回のセミナーは新しい体験でした。卒業したてに戻ったような気分になりました。まだこれからたくさん伸びる余地がある、勉強することがまだまだ沢山あるということで嬉しくもありました。
自分は、大学を卒業するときに「患者さんに患者さんのための最高の医療を提供できる歯科医師になりたい!」と思い、3年間修行をしてきたつもりでしたが、自分の目指す歯科医療とは少し違い、またこんなものなのかな?とも思っていました。
そう思っていたところ今回、自分の目指している歯科医療がここにあったのか!と思うと同時に卒業時に救歯会や火曜会のようなスタディーグループの存在をその時に知っていればなぁ、とも思いました。
セミナーが終わってからも、担当の野嶋先生にいろいろ質問することができ、また丁寧に質問に答えていただき非常に有意義な一日でした。
最後に黒田先生にデンタルをいただき、早速自分のものと比較し勉強しなおしました。その日は、家に帰って復習してから寝ようと思っていたのですが夕食後に熟睡してしまいました。体も頭もクタクタになったようでした。
第1年次、第2年次の救歯塾セミナーに参加できなかったのが残念です。次回のセミナーを楽しみにして、今回学んだことを早速臨床に活かし、毎日の臨床を頑張っていこうと思っています。
2003年救歯塾セミナーがスタートしました(2003年5月12日)
今年も40名を越す受講申し込みに、準備に追われうれしい悲鳴を上げております。リピーターが約半数で、新規の参加者が20名以上でした。
昨年の希望で、黒田の症例を多く見たいという声にお答えして、私の発表が多くなりました。グループ討論でもチューター役をかって出ました。
参加者はみなさん大喜びでした。途中参加も構いませんので、是非お申し込み下さい。来年同じものがあるとは限りませんので…。
2003年救歯塾のご案内(2003年3月15日)
★メインテーマ「救歯学、患者さんのための歯科医療」
- ひとり一人に合わせた研修プログラムで、自己研鑽が楽しくなります
- 見て、聞いて、語り合うなかから、手と身体を動かして学びます
- 多くのインストラクターによる懇切丁寧なセミナーです
- 身近な疑問を講師に直接質問できます。すぐに答えがもらえます
- 受講後には、知らないうちに実力がついている自分を発見できます
第1回 4月20日「患者さんのための歯科医療とは?」
口腔内の問題発見、患者さんのための歯科医療を行うために
第2回 5月18日「救歯臨床へのアプローチ」
救歯学、保存困難歯の救済、歯内療法、歯周外科、矯正
第3回 6月22日「前歯補綴で患者満足を得るために」
シェード合わせ、形態調和、テンポラリーの有効利用
第4回 7月27日「コーヌスクローネは救歯になるか」
パーシャルデンチャーとコーヌスクローネの特徴を考える
第5回 9月7日「自家歯牙移植とインプラントの適応」
欠損歯列を読む、移植とインプラントの適応、器材の扱い方
第6回 10月5日「私の救歯臨床」
救歯臨床の実践例から救歯学を体得したかどうかを検討
★救歯塾セミナー案内 2002年バックナンバー
救歯塾の受講者から嬉しいメールを頂きました(2002年12月9日)
山形県新庄市から来られた熱心な受講者の五十嵐 祐先生からのメールです。少し長いのですが,そのままご紹介させていただきます。五十嵐先生は2年連続受講です。
歯周病治療にあたって。禁煙にふみきってくれた患者さんが3人現れました。いずれも女性です。前歯の破折、あわや総義歯、チーフスタッフの親友…とそれぞれのきっかけや思い入れがあり、純粋にウチの指導のみで勝ちとった禁煙ではないのですが。この3人からは手ごたえを感じています。
ひとりは。7月にメールで散々な経過を報告した方です。黒田先生のアドバイスにしたがって治療を打ち切ってわずかひと月。CRFだらけの右上1番の歯冠が打撲をうけてふっ飛んで再来しました。あせる患者さんをまえに、喫煙と歯肉の健康度・歯肉の健康度と補綴物の出来不出来をちらちら説いて、タバコを止めるならTEKを作りましょうとバーター作戦にでました。バーター成立で、むりやりながら禁煙を勝ちとり2度目の初期治療をおこなっています。
もうひとりはわたしの父の代からの患者さんで、飲み屋のおかみさんです。当時は上下ともMBで長い連結を施されていたらしいのですが、上顎Brは抜歯されすでに総義歯で、今回は下顎にP急発のトラブルでした。何本か抜歯して義歯にするとしても安心して鉤歯につかえるような歯は1本もなかったので、抜いて総義歯かこのまま抜かずに自前の歯か、でも禁煙できなければこちらも本気で歯を残そうという気になれないよ。と半ばつきはなすような形をとっていました。2度目に来院した際に「本気で診てもらいたいのできっぱり禁煙した。店のお客にはタバコは換気扇の下に行って吸ってもらっている」。ああもう責任重大です。
チーフとその親友の患者さんとは、そのなかにとても割って入って行けないような、ときには強い興味や笑いをおたがいに引き出しながらの独特の初期治療風景でした。その患者さんの職場の同僚は、羨望半分やっかみ半分でどうして禁煙できたのか、と聞くのだそうです。すると彼女は同僚に「禁煙したいのなら歯医者にゆけ」。昨年の救歯塾での黒田先生からのひとこと。口腔乾燥はタバコが引き起こす。はわが週一回カンファレンスでは毎回とりあげられる話題でした。乾いた粘膜プラス辺縁歯肉の発赤のスライドが映し出されるたびに撮影者は喫煙非喫煙の確認をもとめられます。黒田発言から一年経ち、最近ではそれがスタッフの見識として患者さんへの指導に生かされているのではないかとおもっています。さらにニコチンが歯肉溝からの健康な浸出液の分泌を妨げること、セカンドエフェクトは喫煙とおなじこと、美しくないメラニンが歯肉や唇に出ること、わが子のゼンソクも…などなど、患者さんから禁煙を勝ちとる切り札もいろいろそろってきました。
救歯塾をリピーター向けに継続します(2002年12月8日)
当初は2年間で終了にして、また新たに始めようと考えていたのですが、どうもリピーターが多いものですから、もう1年継続したプログラムで行うことにしました。うれしいことに、最終回の受講者全員によるケースプレゼンテーションは、昨年よりも遙かに充実していて内容のある発表が多くて驚きました。そのうちの2名は救歯会に入会したいと言ってきました。もちろん入会して頂くつもりです。
昨年は時間も守られませんでしたし、スライド写真が発表と一致しませんし、X線写真はお粗末なものが多かったのですが、今年はみんながケースプレゼンテーションになっておりました。パソコンプレゼンも数名おられました。来年は、もっと救歯会に入会する方が増えるのではないかと期待しております。
受講者からの嬉しいメールです(2002年11月4日)
五十嵐 祐先生は2年連続受講者で、山形県新庄市から通われている熱心な方です。以下に先生からのメールを掲載いたします。とても嬉しくて私たち行っているものにはとても励みになります。
症例写真を撮りはじめて十ヶ月。院内でカンファレンスをはじめて五ヶ月。いろいろなことがわかってきました。(7月27日付)
1. 一台きりのカメラに不便を感じるようになりました。ウチの医院ではコダック社12枚撮りのフィルムを使っていることから。口腔内の規格写真には撮りきりでとても使い勝手がよいのですが。あっちで2・3枚、こっちで4・5枚とスポット撮りが規格写真のあいだにはいると、撮影記録をのこしてかつそれに合わせてつぎはぎのスライドを整理する時間がたいへんもったいなく感じます。スポット撮影用のカメラが専用で一台あればなあと思いはじめました。
ウチの現在の一眼レフカメラはサンフォート製コード付きのもので。あっちこっちと持ちあるく際の機動力という点ではバッテリーのシステムのものに劣るかと思います。ただ、このカメラのマクロレンズは被写界深度がとても深く、技術の未熟さをカバーしてくれるのでこの点では気に入っています。黒田先生がもしコードレスで被写界深度が深い現行品でのシステムをご存知なら教えてください。
2. 今年の第一回の受講後にTBIへのとりくみ方を一新しました。この前日にスタッフともどもブラッシングセミナーに参加して、スクラブ法じゃダメなんだと痛感していたこともきっかけになっていました。
まず、すべての患者さんに歯ブラシを持参させてみようと提案し受付もいっしょになって声かけをはじめました。心配をよそにほとんどの患者さんが歯ブラシを持参してきてくれたのはうれしかったのですが、そのあまりのバサバサにはみんな驚いて笑ってしまい、先生どうやったらこんなになるんでしょうと疑問に思ってくれたことは、お仕着せのTBIと決別する絶好のきっかけとなったようです。
ブラシ圧をコントロールしてもらうことにスタッフひとりひとりが心を砕くようになりました。患者さんを前に身振り手振りでしゃべっている様子には少し圧倒されます。患者さんの反応もくみとってしゃべるので、しゃべる量も時間も以前の十倍は増えました。最近は「患者さんの手つきみろー」とこちらが口うるさく言うので、多少は迷惑がる患者さんもなだめて手つきのチェックは欠かさずおこなってくれている様子です。
3. 院内カンファレンスには初期治療を終えた患者さんの口腔写真がそろそろ登場してきています。その中で一例、初診時からほとんど改善していない症例があがってきました。23歳、喫煙、子もち、仕事もち、性格おおざっぱな女性です。
鏡にすぐ映せる上顎中切歯ですら歯頚部にプラークと腫脹が残り、前回の受診日からこの日までの数週間に、口腔内へ一度も気がまわらなかったような惨状が映し出されました。
上顎4前歯はすでに充填する場所が見当たらないほどCRFしつくされていた方で、これにはくわしく触れずに。歯肉、歯肉とTBIをくりかえしていた結果でした。
この患者さんとともにわれわれが費やした時間を考えると少なからずショックであり、また、つぎの来院時にどのような対応をしたらよいのか分からずたいへん憂鬱です。
もう一人からも嬉しいメール頂きました(2002年11月4日)
野坂庸子先生は青森県野辺地町から通われている熱心な受講者です。2通を紹介します。
*お勧め書籍の感想
シエン社で見つけた"アシスタントワーク"・"マナーハンドブック"は以前から私もよい本と思い、スタッフ全員分それぞれ購入して与えました。先輩スタッフが後輩に教える際などに、ありがたく活用しています。
しかし、本人たちが読まないと書籍って意味ないんですよね。伸びる子は、言われなくてもすでにマナーブックに書かれてあることは会得しているようだし、読んでほしい子ほど目を通さないんです。輪読会をするしかないか…。
久道茂:医学判断学入門 おととしの盛岡での、補綴学会東北北海道支部会でお呼びした先生です。非常におもしろくわかりやすい講演をなさってくださいました。そのとき、ご本人から本を紹介いただき買って読んでみました。
なんでこういう講義が学生時代なかったのだろう?と感じました。患者様への説明の際、自分の頭の中で整理しやすくなったようです。いよいよ明日7月28日、久しぶりの救歯塾です。大っきい画面で新しいカメラで撮った写真、どのように写るのかな?どきどきです。(7月27日付)
*先日の救歯塾では、実際にスケッチまでして教えて頂きありがとうございました。先生の直筆はとても嬉しかったです。今回の講義でためになった事は、個歯トレーってこんなに便利なものだったのかということです。
わたしが岩手医大医局に在局のころは、わけもわからず先輩から作り方だけ教わって、ただ個歯トレーを作って印象していただけです。理論もあったものじゃありません。なので、あのころなんでうまくいかなかったかが、やっと今理解できました。(あのころ自分で理解しようとしなかっただけですけど…いまの若い人たちには大きい顔できません)だから、最近の救歯塾生の欠席者およびふとどきもの態度!には頭にきています。彼らの気持ちはよくわかるけど、非常にもったいないことと見ています。まだまだ、思うように手は動きません。夜、形成の練習していると祭囃子が聞こえてくる今日この頃です。(7月29日付)
歯内療法のセミナーを定番にしたい(2002年6月23日)
第2回歯内療法のセミナーを行いましたが、なんと10名のインストラクターの中に3名もの歯内療法学の大学院修了者がいたことを、再確認させられました。
根管長確認と根管拡大と根管拡大の実習を行ったのですが、いままで救歯塾で取り上げなかったのを後悔しました。大学院修了者は、いつも「エンドなんてそんなに話題はないですよ」というものだから、そのまま真に受けていたのが大きな間違いでした。実習しながら説明させると、内容がありすぎて困るくらいでした。時間が足りなくなってしまい、受講者の質問に全部お答えできず申し訳なく思います。次年度は検討します。
とても嬉しいメールを頂きました(2002年4月21日)
昨年の受講者から「昨年の救歯塾の受講後にウチの医院が改善できたこと」という7項目にもわたる改善体験談を頂きました。
- 症例写真を頻繁に撮るようになった。(撮ったことがなかった)
- 阪神のホルダーを使って10枚法の規格X線写真を撮るようになった。(以前はパノラマ故障時だけ撮った)
- 診断できないX線写真はきちんと撮り直すようになった。
- インレーにほとんどTEK を作るようになり、シリコンのバイト材を頻繁に使うようになった。
- プラーク・コントロールに熱が入るようになり、スタッフと共に考えるようになった。
- コーヌスクローネを見直し、チャレンジするようになった。
- 欠損歯列をパノラマで見てEichner分類で読むようになり、難症例の見分けがつけられるようになった。
山形県新庄市からの受講者です。遠いところから、お休みの日曜日をつぶしてよくお越し下さいました。もちろん今年も受講申し込みされています。こんなに嬉しいことはありません。
5回のセミナーのうち、1回だけでもいいから受講された方に影響が与えられれば、という思いでセミナーをやってきました。このような方がお一人だけでもおられる限り、私はセミナーを続けていこうと思います。
今年のセミナーをまた一緒に頑張りましょう。
2002年救歯塾のご案内(2002年2月18日)
第1回 4月14日「診断-口腔内の診方と問題発見」
歯肉を見る目を養い、パノラマX線写真から問題発見できる
第2回 5月19日「X線写真と歯内療法」(実習あり)
デンタルX線写真の質を知る、歯内療法の勘どころ
第3回 6月2日「MTM、歯周初期治療」(実習あり)
MTMの有効利用(実習)モチベーション能力の自己評価
第4回 7月28日「印象採得」(実習あり)
「修復・補綴の問題は印象採得にあり」と気づく
第5回 9月8日「歯周治療と歯周外科」(実習あり)
歯周外科の適応、外科手術用具あれこれ、切開線と連続縫合
第6回 11月10日「受講者全員によるケースプレ」
ケースプレの意味、分かりやすいプレゼンとは
★救歯塾セミナー案内 2001年バックナンバー
救歯塾第5回(最終回)盛会に終わりました(2001年11月25日)
最終回は受講者によるケースプレゼンテーションをメインとしました。
始まるまでは皆さんの実力が分からず、とても心配でした。見せていただくと、皆さんが素晴らしいので、すごく嬉しくなりました。参加者全員が何らかの資料を持参して参加することが、これほどまでに徹底できたことに、確かな手応えを感じました。
ケースプレゼンテーションをすることで、自己研鑽のステップが確実に踏めるということを、皆さんに感じ取っていただけたことがとても嬉しくて、感激してしまいました。
受講者と共に飲み食いできる懇親会では、私は年甲斐もなくはしゃいでしまいました。来年はどういう形態で進めるかについても、自信が湧いてきました。来年はステップアップをはかりますが是非参加して下さい。
パーシャルデンチャーの設計ができない歯科医が多い(2001年10月23日)
救歯塾第4回で、受講者全員にパーシャルデンチャーの設計をしてもらいました。
75名中正解者は2名、まず妥当なのは5名くらい(甘い点数で)、他はみんな間違っています。遊離端欠損の設計ができないのです。印象採得をしてその後は外注技工に頼るという図式がまざまざと出ています。
パーシャルデンチャーができない歯科医が、インプラントに移行するようでは困ります。現実はそうなっているようです。
予想以上の事態に、何とかしなければと驚かされました。
救歯塾第3回が終わりました(2001年9月9日)
口腔内写真を見て、どれだけ問題発見ができるかというチュートリアルをやってみたら、参加者の方が見えていない、問題発見ができないことがよく分かりました。
患者さんの問題点が見つけられなければ、問題解決もできませんし、患者さんが訴えたことしか問題を見つけられないということになります。講師の話を聞くだけのセミナーを何回受けたとしても、それが身についていないことを感じて欲しいのです。「勉強とは、自分の知っていることと知らないことに気づくこと」だと思うのです。自分の実力を知らされるのは少し怖い気がしますが、やさしく自然に気づかせてくれる救歯塾のようなセミナーがオススメです。
シャープニング実習をやってみたら、これもほとんどできないことに気づいて欲しいのです。歯周疾患の初期治療はとても大切で、初期治療だけで治る患者さんがほとんどです。それには、モチベーションとルート・プレーニングが最も重要です。
ルート・プレーニングにはシャープニングが必須です。シャープニングができずして、歯周治療は不可能です。シャープニングをシッカリと勉強しましょう。
救歯塾第2回が終わりました(2001年6月17日)
「クラウンの形成からセットまで」というテーマで行いました。参加者には形成模型を持参してもらいました。それをビデオカメラで拡大してスクリーンに映写して、意見を言い合うという形式は、みんなの価値観が違うことに驚きました。
前装冠の形成で、1ミリのショルダー幅でも足りないという発言には、有髄でももっと削れというわけですから、驚きました。軸面のテーパーに関する意見でも、5度くらいの角度に形成された模型に対して、角度が着きすぎだという発言にも驚きました。参加者が共通認識がなくかなりバラバラの判断だということが分かりました。こういう機会がなければ気づくことがなく、恐ろしいことだと思います。
10名ほどの技工士さんにも参加いただきましたので、普段話し合うことが少ないので、良い機会だと思います。鋳造に関しても、あまりにも知らなすぎることが良く分かっていただけたと思います。
「救歯塾 」セミナー
歯科医の生涯研修のお手伝いをすることが自分の使命だと、かなり以前から思っていました。名付けて「救歯塾」を 始めます。
スタディー・グループ「救歯会」を発足してからちょうど10年になる2001年を記念してスタートします。私がスタディー・グループ「火曜会」で20年間学んできた経験、若い歯科医を抱えて「救歯会」を10年間続けてきた経験、東京歯科大学同窓会学術部で「ベーシックセミナー」を6年間やってきた経験をここで十分に活かしたいと思います。
「抜歯をしない」歯科医を育てることを主目標にします。患者さんへの治療が密室処置にならないように、自分の処置を他の歯 科医に見てもらうために「ケースプレゼンテーションができるように」します。
そのためにまず、「X線写真」を診断できるレベルに、「口腔内カラー写真」を他の歯科医が見えるようにきちんと撮れるようになることが必要です。
臨床医として向上するために、どうしても必要な基本技術をマスターできるように、と考えて企画していきます。情報過剰に混乱している方へ、どうすれば有益な情報を効率的に手に入れることができるか、ここで学べます。
- 5月27日「かかりつけ歯科医ベーシック」
常連患者さんを作る、長期的継続管理を行う医院システム
カルテ、X線写真、口腔内写真、顧客管理データベース - 6月17日「クラウンの形成からセットまで」
テンポラリー、個歯トレー、咬合採得、間接法、咬合調整、合着剤 - 9月9日「歯周治療ベーシック」
歯肉を見る目、ブラッシング指導、モチベーション、シャープニング、ルート・プレーニング - 10月14日「コーヌスクローネ ベーシック」
欠損歯列の読み方・診方、咬合支持、Eichner分類、パーシャルデンチャーの考え方、リジットサポート - 11月25日「インプラント、自家歯牙移植ベーシック」
インプラントと自家歯牙移植の適応、両者の利点欠点、インプラントを導入するには、自家歯牙移植を行うには
救歯会10周年記念発表会が盛会に終りました(2001年4月26日)
おかげさまで非常に多くの方々の参加をいただきました。当初は100名くらいの参加を予想していたのですが、220名で会場満杯ということになりました。
椅子も追加をして、立ち見の方が出るほどで、参加者にご迷惑をおかけするほどになりました。救歯会会員の全員が発表をしました。(入会1年未満を除く)
26名もの発表で、聴衆に飽きさせないようにするのは大変難しいことです。この日は、午前中の3時間は休憩もないぶっ通しでしたが、誰一人としてロビーで休憩する方もなく、退場する方もありませんでした。
プログラムが良かったのか、発表内容が良かったのか分かりませんが、聞いて下さった方々に深く感謝申し上げます。16:30に終わる予定が、20分も早く終わりました。これほど多くの発表者で、これほど早く終わることは予想もしなかったことで、これにも驚いています。
救歯会10周年記念発表会
とき:2001年 4月22日(日) 9:00〜16:30
ところ:東京歯科大学血脇記念ホール(水道橋)
プログラム
*救歯会の紹介・・・黒田昌彦(総合司会:西原)
*私の臨床・昔と今・・・演者:井汲周治、奥平紳一郎、亀井達雄、木村敏之、高橋邦夫、 島倉洋造、十朱智彦、中野正博、林 智子、壬生秀明(座長:野嶋)
*救歯会例会再現・・・演者:服部夏雄(座長:伊藤)
*例会発表から・・・演者:西堀雅一、井上仁史、富樫 潔、松島良次(座長:藤関)
*例会発表から・・・演者:西原英志、野嶋昌彦、藤関雅嗣(座長:服部)
*サマーセミナー再現「全員討論会」・・・症例呈示:奥平紳一郎(座長:松島)
*「垂直性骨欠損」にGTRとエムドゲイン・・・演者:塩路昌吾、田辺一成、豊田真基、
二階堂雅彦、福田裕文、宮田 泰(座長:西堀)
*長期経過から・・・演者:伊藤公二、法花堂 治(座長:富樫)
*救歯塾のお知らせ・・・黒田昌彦
★受講のご案内
*口腔内写真を撮っている方を対象にします。7回連続受講が原則です。
*会場:都市センターホテル(東京都千代田区平河町2-4-1 Tel:03-3265-8211)
*申し込み方法:次の事項を、下記へメールかファックスでお寄せ下さい。
【氏名、出身校、卒年、受講経験、連絡先の住所、Tel、Fax、E-mail】
*亀井歯科 E-mail:1118gdk@mc.point.ne.jp Fax:03-3837-2252
〒110-0016 台東区台東1-31-10-202 Tel:03-3837-2252
*黒田歯科のホームページで過去の内容も紹介しておりますのでご覧下さい。