★情報いろいろ
時代遅れにならないように
過日、当院に10年以上勤務していた歯科衛s生士に会いました。
現場を離れ5年くらい経っていたのですが、「歯磨き剤は使わない方がいいですよね」とか「フッ素って使っているのですか?」と質問され困りました。
話しているうちに、この5年間での歯科での変化は大きいナーと実感しました。
次の5つのこと、「フッ素」「歯磨き剤」「超音波スケーラー」「電動歯ブラシ」「たばこ」について特にこの「変化」を感じました。
1.フッ素はプロフェッショナルクリーニングで必ずフロアゲルを塗布します。歯根面のルート・プレーニング後には必要だと思っています。
2.歯磨き剤は以前にはそのアワと芳香剤で歯みがき時間が短くなるのであまり使わないようにと言っていたのですが、最近はフッ素入りの歯磨き剤を積極的に薦めております。さらに就寝前にはフッ素とキシリトールの混合剤(チェックアップフォームやフロアゲル)を使うように薦めています。
3.超音波スケーラーは20年ほど前には使わなかったのですが、20年ほど前から「ポケット内のデブライドメント」という考え方から超音波スケーラー(スプラソンP-MAX)を使っています。今では2台使っています。
4.電動歯ブラシはその大きさや振動が不満でお薦めしてなかったのですが、20年前から使い始め患者さんにもお薦めしております。バイオフィルムは手の歯ブラシでは除去しにくいということから、音波ブラシや従来とは異なる電動歯ブラシをお薦めしております。
5.禁煙を積極的に勧めております。喫煙者には歯周外科をやりませんし、メンテナンスもほどほどです。継続的に診ていても、たばこを吸う方は一向に良くなりませんし、繰り返して悪くなります。診療拒否にならない程度におつき合いをしていくことにしました。
日経新聞に、意外な犯人「かみ合わせ」の見出し
日経新聞夕刊に「原因不明の頭痛やめまい」、「歯科で治療増える」という小見出し掲載されました。
不規則に襲う頭痛やめまいなどは、内科で診てもらっても「原因不明」とされるケースが多く悩む人も少なくないといいます。
原因はかみ合わせだけとは限りませんが、食いしばりや歯ぎしり、顎の位置づれ、頬杖をつくなどいろいろあります。いずれにしても、歯科医に相談に来てもらいたいものです。
でも、頭痛や吐き気などは、つい内科に行って診てもらうことになります。そういった面から、新聞などで呼びかけてもらえるのはありがたいことです。
なぜ電動歯ブラシに人気が出てきたのか
バイオフィルムのことが明らかになるにつれ、プラークコントロールの概念が少し変化してきました。
単に歯垢を落とすということから、バイオフィルムを破壊して細菌性プラークを取り除くという考え方に変わってきました。バイオフィルムは一般的な歯ブラシでは壊れにくいということも分かってきました。そこに高速電動歯ブラシのことが話題になってきた根拠があります。
従来の電動ブラシは1分間に5千回程度の振動なのに、高速電動歯ブラシだと3万千回の振動をするという。店頭では「音波歯ブラシ」という名称がついています。
知名度からいうと、フィリップスの「ソニッケアー」(ヨシダ販売)です。 最近、音波歯ブラシよりもさらにバイオフィルム除去効果の高いという「超音波歯ブラシ」がライオンから発売されました。この効果は、文献では良い報告がされていますが、私も使ってみましたがよく分かりません。
日経新聞で高速電動歯ブラシの特集記事がありました
日経新聞で主な高速電動歯ブラシとして、ソニッケアー(フィリップス)、ドルツEW(松下電工)、ウルティマ(東レ)、サイバーソニック(アムデン)、などを挙げて特徴や価格の説明がされていました。
高速電動歯ブラシの市場は1990年代後半に急速に拡大し、規模は70億円規模に達しているという。価格も¥10,000円〜¥15,000といったところで、電動歯ブラシとしては高めの価格となっている。にもかかわらず市場が広がっているのは、歯周病予防など歯の健康に対する意識が急速に高まっていることが背景にあるという。
私が使っている高速電動歯ブラシで個人的にオススメできるものがあるというものの、すべてのメーカーを試しているわけではないので、述べるべきかどうか迷っています。個人的にご質問があればお答えします。
かかりつけ歯科医に関するアンケート集計結果
日歯広報No.1272(9月25日号)で、昨年9月と今年7月との比較で、「かかりつけ歯科医初診料」に関するアンケート集計が報告されています。かかりつけ歯科医初診料の算定が、77.9%→95.5%に。かかりつけ歯科医算定時に患者への説明に使ったものは、
・日歯作成病態図パネル:45.0%
・スタディーモデル:8.0%
・口腔内写真:20.5%
・その他:26.4%
となっていました。
日歯作成の病態図パネルがたくさんの会員に使われていることが分かってとても嬉しいです。
14年4月からはかかりつけ歯科医初診料の算定が、
・しやすくなった:71.4%
・変わらない:25.7%
を大幅に上回っています。本年4月からの医療費改定が、
ずいぶんと評価されていることが感じられて嬉しいです。
平成22年度都道府県別歯科医療費
都道府県名 | 1ヶ月の件数 | 平均収入 | 順位 |
---|---|---|---|
秋田県 | 218 | 3,807,211 | 1位 |
香川県 | 221 | 3,750,224 | 2位 |
山形県 | 266 | 3,731,732 | 3位 |
和歌山県 | 189 | 3,029,895 | 45位 |
京都府 | 212 | 2,906,805 | 46位 |
東京都 | 158 | 2,363,077 | 47位 |
全国のトップ3が、秋田県、香川県、山形県で、ワースト3が東京都、京都府、和歌山県です。
東京都が最下位です。過当競争のなか、生き残りを賭けて熾烈な戦いが展開されています。黒田歯科医院もいつまで持ちこたえられるか???
スプラソンP-MAXの良さを再確認
スプラソンP-MAX(白水貿易)の良さについては、器材いろいろに写真入りで紹介しております。6月9日に姫野 宏先生(北大歯周病)の1日セミナーを聞いてきて、なおさらP-MAXの良さを認識しました。
使った先生も、まだ使っていない方も、白水貿易の姫野先生のセミナーの受講をお薦めします。姫野先生開発のシャープニング機械、ファーケーションプローブ、などにもそのこだわりを見せつけられて、感動しました。
PMTC(Professinal Mechanical Tooth Cleaning)という言葉にはずーっと前から違和感を覚えていましたが、姫野先生の言うPMSC(Professional Mechanical Sulcus Cleaning)にはとても共感を覚えました。PMTCという意味の「歯肉縁上の歯の清掃」が必要なのではなくて、「ポケットの中の清掃」こそ必要なことではないだろうか。PMTCの用具をどれほど駆使しても、歯肉縁上歯面の清掃は可能でも「ポケットの中」は清掃できるのでしょうか?だからこそ、P-MAXを使う意味があるのだという話には、納得させられました。
「好きな練り歯磨き」ランキング
日経新聞2002年1月19日の「何でもランキング」で好きな練り歯磨きの紹介がありました。
1位:アクアフレッシュ
2位:PCクリニカライオン(ライオン)
3位:G・U・Mデンタルペースト(サンスター)
4位:クリアクリーン(花王)
5位:デンターライオン(ライオン)
7位:エチケットライオン
8位:White&Whiteプライム
ライオンが登場し、ライオンが健闘しているのが判る。
日経リサーチが2001年11月中旬に行ったアンケートで、有効回答数は1290件。
「デンタル・フォビア」ご存じですか?
「大人になっても歯医者が恐い」という人のことをデンタル・フォビアと呼ぶのだそうです。
おおかたの見方は、たぶん幼年期の恐怖がよみがえるのだろう、と片づけられていたが、そんな単純なものではないらしい。恐ろしく感じる対象が、他人から見てとうてい理解できないものであることが多いらしい。
デンタル・フォビアの見分け方は簡単。雨が降ったり大した用でもないのに予約をキャンセルしたり、待合室で待っているときに手のひらが汗でぐっしょりなどが挙げられるという。
最近、トラウマ(心的外傷)を感じる方がデンタル・フォビアになりやすいことが分かってきたし、デンタル・フォビアの割合がこの20年間で3倍増になっているらしい。
このことは、石浦章一氏(東大教授)の「脳内物質が心をつくる」で紹介されている。恐がる患者さんに、もっと優しく理解してあげようと思います。
Check-Up foamが気に入りました
リコールやメンテナンスの患者さんに、二次カリエスや根面カリエスの予防として、フッ化物配合のものを薦めてきました。
とりわけ50歳代以降の患者さんには、根面カリエスで悩まされておりましたので、かなり積極的に薦めてきました。
フッ化物とキシリトール配合の「ホームジェル」(オーラルケアー)をずーっと使っていますが、昨年からCheck-Up foam(ライオン)も加わりました。ホームジェルは少し甘いのと歯に着色するのが難点でしたが、Check-Up foamはさわやかで甘くないので良いと思います。
つい最近、私が体験した長所があります。Check-Up foamが口臭を防いでくれるのです。起床時に口の中がネバネバして気持ち悪かったのですが、Check-Up foamを使ってから起床時の口の中がさわやかです。是非お試し下さい。
豊永美津糸先生がお亡くなりになりました
私の大切な恩師のお一人であられる福岡県飯塚市の豊永美津糸先生が、2001年4月28日にご逝去されました。83歳でした。
この1年ほど肺炎で苦しまれていたとのこと。5月12日に、金子一芳先生と焼香に伺って参りました。先生は臨床歯科を語る会の会長を長い間されました。
30年ほど前、火曜会で豊永先生のパーシャルデンチャーのお話を伺ってからが、私の欠損歯列への取り組みの始まりでした。今思うと、このときがリジットサポートの始まりでもあったのです。豊永先生の貴重な論文を、是非この機会に読み直してみて下さい。
- I-barクラスプについて:(1)日本歯科評論/1974年10月、No.384、113-127。
(2)1974年11月、No.386、97-111。 - 局部義歯の基本を考える:(1)日本歯科評論/1978年2月、No.424、25-37。
(2)1978年3月、No.425、41-54。 - I-barからKonus冠への歴程:日本歯科医師会雑誌/昭和56年8月、2-7。
- 臨床の師を訪ねて/師・豊永美津糸と語る:ザ・クインテッセンス/1989年9月、8巻9号、51-72。
- パーシャルデンチャーの根面維持装置についての考察:クインテッセンス/1995年5月、14巻5号、113-124。
松風のデンチャーライナーが気に入っています
決して新製品ではないのですが、1年以上前からこのリベース材に切り替えました。従来のリベース材とは比較にならないほどすぐれモノです。
面の滑沢さ、境界のなさ、切削感、硬さ、光沢、など。その上、刺激のなさは特筆できます。従来のモノは、患者さんにその刺激から不快な思いをさせてしまいましたが、これは全くと言っていいほど刺激がありません。
リベースをして1年以上経っても、リベースをしたかどうかが分かりにくいほど、境界が出ませんし、削っても加熱重合レジンと同等の硬さです。おかげで、最近リベースが多くなりました。