★入れ歯(義歯)で悩んでいる方

これから義歯になりそうだという方

義歯にも色々あり、取り外し義歯、取り付け義歯(ブリッジ)、テレスコープ義歯(精密な二重金冠方式)、インプラント(人工歯根)などがあります。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、一概にこれが良いと決めつけられません。
ただ、取り外しの義歯は、皆さんが嫌います。取り付け義歯(ブリッジ)は、1〜2本の歯が失われて、その両側に歯が残っている場合に限って可能です。一番奥の歯が失われた場合は、この取り付け義歯ができません。取り外し義歯になります。
取り外し義歯は、余計な構造体がつくために、異物感や発音障害がでて不快なものです。

インプラントをしたいと思っている方

インプラントは、歯の抜けた跡の顎の骨に、チタン製の人工歯根を埋入手術するというものです。その人工歯根の上にかぶせものをつけます。
健康保険が全く使えません。埋入手術がほぼ20〜30万円、その上にかぶせるものが15万円ほどかかります。大変高価なものです。その上、手術を受けなければなりませんし、手術後3〜6ヶ月後にかぶせる作業をしますので、治療期間が長くかかります。

インプラントは顎骨にドリリングして埋入しますので、うまくいくとご自分の歯が増えたようになりますが、うまくいかない場合は顎骨も一緒に除去します。
手術を行う前に、CTスキャンX線写真検査を受けるのが安心です。顎の骨の状態がインプラントを埋入できるかどうか、どの太さやどんな長さができるかなどの確認をするために必要なことです。
CTスキャンを撮るために、専門病院を紹介してくれる歯科医院は安心です。

どういう歯科医でインプラントをすればいいでしょう

取り外し義歯は、うまくいかなければやり直しも可能ですし、ご自分で外せます。
患者さんは、取り外し義歯の上手な歯科医を探し、まず取り外し義歯を作ってもらって、どうしても満足できない場合にはインプラントを選択すべきです。インプラントをその歯科医が得意でない場合は、上手な先生を紹介してくれる歯科医であれば最高です。
黒田歯科医院に「インプラントをしたい」といってこられる患者さんには、「まず取り外し義歯を作ってみて、どうしても不満でしたらインプラントにしましょう」と説明して進めます。
その患者さんの中から「やはりインプラントをしたい」と言われたた方はほんの少しでした。俳優さんやアナウンサーをお仕事にされた方でしたから、それも納得です。

取り外し義歯がうまくできないから、インプラントを勧めるというパターンが多いので注意しましょう。インプラントだけ得意な歯科医は警戒しましょう。

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いま義歯を使っているが、悩んでいる方

取り外し義歯は歯科治療の中で、きわめて難しい分野です。大学に部分義歯を専門にする教育者がいないことが問題です。
全国29もの歯科大学がありながら、部分義歯専門の教育機関をもつ大学は5校もありません。取り付け義歯(ブリッジ)や総義歯(全部義歯)の教育講座は29校全部にあるのですが…。
ですから、部分義歯をきちんと教育されずに卒業する歯科医が圧倒的に多いのです。したがって、部分義歯の苦手な歯科医が多くなり、インプラントを勧める歯科医が増えるという構図ができてしまう。
部分義歯の得意な歯科医がインプラントを行うのがもっとも良心的です。取り外し義歯を得意とする歯科医が少ないですし、患者さんが見抜くのがまた難しいのです。
それで、良く噛めない義歯を我慢して使っている患者さんが多いという現象が生じているのです。

義歯の上手な歯科医院は

歯科技工士のいる歯科医院は義歯が得意ですし、義歯について丁寧な対応ができます。歯科技工士のいる歯科医院を見つけることです。
看板や玄関からは分かりにくいのですが、ホームページや患者さんの評判をお聞き下さい。取り外し義歯や取り付け義歯、テレスコープ義歯やインプラントなどの、すべてが得意な歯科医は希です。
ただ一つヒントがあります。義歯が得意な歯科医はかなりおりますが、歯周病治療に熱心で義歯が得意な歯科医は、数こそ少ないですが本物です。
取り外し義歯を入れた後で、歯周病で歯を失ってはいけません。ブラッシング指導に熱心で、継続的にメインテナンスしてくれる歯科医院は大丈夫です。

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入れ歯清掃剤の誤解

入れ歯清掃剤として有名な「ポリデント」。確かにきれいになったように思えますが、漂白作用が強くて、使っているうちに入れ歯 の歯肉の色のピンク色まで脱色してしまいます。
一年も使っていますと、真っ白になってしまいます。

そこで私は「ピカ」をお薦めします。「ピカ」は義歯の清掃だけでなく、義歯でよく起きる「カンジダ感染症」の細菌を退治してくれます。
ところが、一般に出回ってないので、入手が困難です。テレビの宣伝のせいで「ポリデント」が広まっておりますが、ご面倒でも黒田歯科に電話してお求め下さい。

10月22日朝日新聞の日曜版で、特別養護老人ホームの男女330人を検査した結果、4割の方からカンジダが発見。国立感染症研究所の花田信弘先生は「微生物は義歯の表面の小さい穴にも入り込みやすい」といって注意を促しております。

義歯のクリーニングに朗報

義歯清掃剤では以前からずいぶんと悩んでおりました。患者さんが来院して下さるごとに清掃をしていました。でも、あまりきれいにならず、こんなものかなーと諦めていましたが、最近良い商品を見つけました。

患者さんにして頂く清掃剤には「ピカ」などでやってもらっているのですが、長い間使っていますとどうしても汚れがこびりついてきます。超音波洗浄をしても「ピカ」などではどうしてもきれいになりませんでした。
最近、ラバラックという歯科医院専用の清掃剤を見つけて、とても気に入っております。金属床なども新品同様にピカピカにきれいになります。
患者さんが清掃後に目にしたとたんに「わー、きれいになった」と驚きの声を上げます。
ラバラックの液体を超音波洗浄器で洗浄します。その後、水で超音波洗浄します。

患者さん用のものは全く別の清掃剤があるのですが、これは蘇るほどきれいになるわけではありません。
患者さんが自宅で超音波洗浄機を使って清掃するものですが、洗浄剤も、超音波洗浄機も、簡便性を重要視していますので、簡単にできるのですが効果が今ひとつというところです。

義歯清掃の効果をご覧下さい

義歯清掃材の「ピカ」を熱心に使って頂いていても、かなりきれいな方ですが、やはり汚れが目立つようになります。およそ3年くらい使って頂いたものです。

「ラバラック D」でクリーニングしますと、こんなにきれいになります。ほとんど新品同様です。
「蘇った」という実感があります。とりわけ、金属床がきれいになります。この清掃は歯科医院でないとできません。
ぜひ、黒田歯科医院にお越し下さい。

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あなたの歯は何本ありますか?

全部歯がある方は28本(親知らずを含めますと32本)です。12歳で永久歯がほぼ出そろい、その後あまり失うことがありません。
年齢が50歳を越しますと、急に歯が失われます。
平均歯数は、40歳で26本、50歳で25本、55歳で24本、60歳で22本、65歳で19本、70歳で16本、75歳で12本、80歳で8本です。

あなたは何本歯がありますか?
平均よりもよい数値でいたいものです。

「8020」(はちまるにーまる)をご存じですか?

「80歳で20本」の歯を持ちましょうという意味です。
なぜ20本の歯を守っているといいのでしょうか。自分の歯が20本あると、入れ歯に頼らずに日常の食事ができるからなのです。その上、「ぼけ」がなく、元気で日常生活が送れるのです。
自分の歯で噛むことが、唾液の分泌を促し、老化防止にもなります。
現在の平均は80歳で8本しか残っていません。かなり努力をしないと、なかなか20本を守るのは大変です。50歳まで28本守れた方は、80歳でも20本守れそうです。
そこで、「5028」(ごーまるにーはち)すなわち「50歳で28本」守りましょうという推進運動をしたいと思います。ご自分の歯の数に興味をお持ちください。そして、50歳で28本、80歳で20本を目標にして下さい。

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歯を失うのは歯周病が原因

みなさん虫歯には関心が高いようですが、歯周病には痛みでつらいことがないためにあまり関心がないようです。でも、歯を抜かれるような状態になってしまうのは、歯周病の方が多いのです。
虫歯のないきれいな歯でも、歯周病になって抜かれることがあります。
また、歯周病では同時に数本の歯を失うことが多いのです。そのときの悔しさはひとしおです。歯肉が腫れて膿をもつとか、歯がぐらぐら動くといった症状は、もう歯周病の末期で助からないことが多いのです。 早めに歯科医院を訪ねて下さい。

ブラッシングは歯周病治療のために

ブラッシングはムシ歯予防のために行われるものだということは広く理解されていますが、実はムシ歯予防のためだけではないのです。
ブラッシングは、歯周病の治療になるのです。歯周病の原因を取り除くためにブラッシングが効果的なのです。更に、ブラッシングによって歯肉がマッサージされ、それにより歯周病の炎症が治ってくるのです。

ブラッシングで歯周病の治療(歯肉へのマッサージ)で効果的に行うには、

  • 歯肉に毛先を当てて細かく振動を与えること
  • ある程度時間をかけること
  • 回数を多くすること

などが必要です。
「そんなにできないよー」と思われるかもしれませんが、それを一生続けるわけではありません。
歯周病の炎症があるときは、入院したつもりで頑張っていただきます。退院すれば、歯の健康を維持できるブラッシングに変われます。
歯周病には適切なブラッシングが必須です。
ブラッシングにこだわっている歯科医の気持ちが解っていただけるのでは?

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歯科医院に定期的に訪問を!

痛いときだけ歯科医院にいくというのではなく、「検診」や「歯みがき指導」や「歯のクリーニング」に歯科医院へ行きましょう。
歯周病のチェック、磨いているけど磨けていない歯みがきのチェック、茶渋や歯の着色をきれいにするために、歯科医院へ行きましょう。

月に1回、美容院や理髪店に行くでしょう?歯科医にも毎月行ってもいいのです。せめて3ヶ月に1回です。6ヶ月に1回は必須です。
黒田歯科医院では、年に1回、バースデー・カードをお送りしています。1年1回でいいというのではありません。忘れておられる方への注意喚起(イエローカード)のためです。
まれには、1年1回の検診だけでよい患者さんがおられます。でも6ヶ月1回は必須と考えて下さい。ぜひ「美容院」や「理髪店」という感覚をお忘れなく。

 

左図のようなパンフレットを黒田歯科医院が作りました。ご希望の方に差し上げます。どうぞお越し下さい。

パンフレットの中身(抜粋)です

50歳までは歯を失うこと少なくて、平均で4本失います。ところが50歳を境目にして、それからが急速に歯を失います。60歳では9本失います。そして、80歳では20本も失ってしまい8本しか残っていません。
50歳を変曲点として、それ以降の方は、歯を失わないように積極的な努力が必要です。今まで大丈夫だったからという考え方では、どんどん失うことになります。

入れ歯になってからは、とりわけ歯を失うスピードが増します。「今後は1本も失わないようにしよう」と、強い決意をもって下さい。そのために、健診を受けて、継続的に、定期的に、歯と入れ歯のメインテナンスを行いましょう。
入れ歯になったら、残っている歯をより大切に守りましょう。

専門家によるクリーニングを!

最近、歯を清掃する機械に良いものができました。
10年ほど前には超音波を使った清掃機械を使っていたのですが、超音波の振動と音が不快で使わなくなりました。患者さんのために、やさしく丁寧にするために、歯科衛生士さんが丁寧に手で清掃をしていたのです。
最近の機械は超音波なのですが、あの不快な音がなく振動もなく、むしろ心地よく触られているという感触です。
私がそれをされてみて驚きました。快適で眠ってしまう患者さんが増えました。歯ブラシで届かないような深いところまで、痛くなく掃除ができます。
「アー気持ちよかった!」という方が多くなりました。是非、一度受けてみて下さい。3ヶ月に1回が理想的です。

健診では、

  1. 歯周炎や虫歯のチェックをします。
  2. ブラッシングができているかどうかチェックします。
  3. 歯石がないかどうかチェックします。クリーニングもします。
  4. フッ素を塗って、予防をします。

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入れ歯の方にお薦めの本があります

「--家族といっしょに-- 義歯でおいしく食べる」編著:山田晴子、料理:赤堀博美、女子栄養大学出版部、総ページ110 ¥1,500
文字が大きくて読みやすく、料理がおいしそうなカラー写真で32ページもあります。作り方と材料も解説されています。「天ぷら」「豚カツ」「鳥の唐揚げ」「たこやイカ」「きんぴら」などを義歯でもおいしく食べるための方法がやさしく解説されています。
「初めての義歯」「飲み込みにくい「「口が渇く」などにも注意や助言があります。
私は義歯が専門ですが、専門家も顔負けするほど、分かりやすく丁寧な解説がされているので感服させられました。
義歯の方、これから義歯になりそうな方、家族の方が義歯で悩んでおられる方、などに絶対オススメです。

患者さんにお薦めの本があります

患者さんからメールをいただき、「歯の治療や内容を解りやすく解説してほしい」と言われました。
解説を始めようと思ったのですが、それは専門書の方が正しく良く書けていますので、そちらに譲ることにしました。
歯科医の選び方は1.と2.によく書かれています。この2冊はどちらも歯科医の書いたものではありません。平易な言葉と第三者的ニュートラルな姿勢で書かれていて、信用できます。
歯の治療に関しては、3.と4.がオススメです。歯科医が分担で執筆しております。3.は私も一部書いております。4.は、私の親しい歯科医が書いたものですが、妊娠中から幼児の育児指導も含め、高齢者に至るまでの家族の方々への歯科医からのメッセージです。
これらの本は、三省堂(神保町)やブックセンター(八重洲)なら手にとってご覧になれるでしょう。たくさんある歯科の本から、この4冊はオススメです。

  1. 「良い歯科医と治療がわかる本」 秋元秀俊著(医療ジャーナリスト)出版:法研、¥1,500
  2. 「患者のための歯科のすべて」 朝日新聞社編、出版:朝日新聞社、¥1,000
  3. 「歯と口の健康百科 -家族みんなの健康のために-、出版;医歯薬出版、¥3,600
  4. 「家庭の歯学 -目で見るお口の百科-」河原英雄、下川公一、他、出版:クインテッセンス、¥4,200

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