★補綴専門医とは?

「補綴」って何ですか?

「補綴」という言葉は、当用漢字にはありません。正しくは「ほてつ」と読みます。失われたところを補って綴る(つづる)、修復・補填というような意味です。
ただし、修復や補填は、補うことはできても、機能の回復や元あった状態に戻すという意味合いがあるかどうかは疑問です。そこで「補綴」という言葉がなくならないのです。
具体的には、

  • 詰めもの
  • 被せもの
  • 入れ歯
  • インプラント
  • セラミックなどを使った審美修復

これらを総称して「補綴」といいます。

「補綴専門医」とは?

「補綴専門医」というのは、これらのことを専門とする歯科医のことです。
日本補綴歯科学会が専門医の認定試験を行います。学会在籍期間が5年以上、学会出席が5年間で10回以上、論文発表が2編以上、学会発表が2回以上の条件をクリアした上で、複数の審査官の前で症例発表をして口頭試問を受けなくてはなりません。

一度専門医の資格を取得すると、5年ごとに更新が必要で、口頭試問こそ免除されますが、学会発表や論文発表、学会出席義務は継続します。
開業医で5年ごとの更新を継続するのは至難のことなのです。

近年、日本橋でインプラント手術をした患者さんが亡くなりました。
補綴専門医でない歯科医師でも、インプラントなどの補綴治療ができますし、インプラントは高額なので多くの歯科医が手がけますが、インプラントを含む難しい補綴治療は、やはり専門医にやってもらうべきだと思います。

黒田昌彦は、日本補綴歯科学会認定の元「補綴指導医」です。

「指導医」は、専門医を認定する資格を持つ専門医のことです。
専門医として10年以上、教育経験が20年以上の専門医というのが条件です。

私は70歳を過ぎた時点で補綴学会を退会しました。したがって専門医と指導医も辞退しました。