★臨床ヒント

「マインドマップ」に興味が湧きました


最近、書店でよく目にするものに「マインドマップ」があります。昔、「知的生産の技術」というのがありましたが、その最近版とでも言えましょうか。
30年ほど前に、梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」に刺激を受けて、「京大型カード」…いまならB6カードを使ってみました。
そのころ、同じジャンルで、川喜多次郎氏の「発想法」にも影響を受けました。この川喜多次郎氏の頭文字をとって「KJ法」といわれて幅広く使われるようになったようです。
最近では、「知的生産の技術」も「KJ法」も目にすることもほとんどなくなりました。でも、そこから受けた影響は、いまでも私に深く残っております。
そんな私には、「マインドマップ」は、類似あるいは「KJ法」の発展型かなと思えました。

「マインドマップ」に関する多くの書籍が気になりましたので、生みの親のトニー・ブザンの著書を読んでみたいと思いました。
ノートの取り方が間違っているとか、箇条書きが頭を固定化してしまうとか…、新しい発想を生む思考の技術を解説してくれています。
もう私の年齢では頭が硬いのか、そのまま素直には吸収できませんでしたが、気になる内容でした。是非一読をオススメします。

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オススメの本

「あるスタディ・グループの歩みⅢ」というタイトルです。ご存じスタディーグループ「火曜会」の50周年記念誌です。
スタディーグループが50年も続いていることもすごいのですが、常にオピニオンリーダーとして、歯科臨床家の方向性を示した功績は大きいものがあります。
全国的にはこの5年間のスタディーグループの衰退は明かで、解散や休会といったことが頻繁に起こっています。世代交代がうまくいかなかったことも、その一つの要因だったのではないかと思います。
なのに、50年間も継続して、高い内容を維持している「火曜会」は見事なものです。見習いたいものです。

内容は症例報告が主体です。症例報告のあり方、問題点、発表のスタイルなど、参考になることが網羅されています。
とりわけ、欠損歯列への取り組みは、そのキャリアといい、深さといい、他に追随を許さない内容があります。欠損歯列の読み方や診断、処置では自家歯牙移植やインプラントやコーヌスクローネなど、幅広く取り入れながら、その術後経過を必ずつけての討論には、首肯させられることが多くあります。

臨床研修やスタディーグループに興味のある方には、とくに一読をオススメします。
販売は「ジーシー友の会」です。

歯科口腔内写真を撮る方へ


「Digital Presentation」金子一芳 著
グノーシス出版 ¥4,800

デジタル口腔内写真撮影の草分け的存在のカリスマ歯科医の金子一芳先生が、2003年3月に著した本です。
この本にはデジタル画像とは?、スライドとデジタルの違いは?、プレゼンテーションを行うことのノウハウがびっしりと詰まっております。
画像の保存方法、アプリケーションソフトの選び方、プロジェクターの特徴など、持ち前の凝り性が十二分に発揮されて、多くのテストの繰り返しから得られた結論には、いつも感服させられます。

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義歯清掃の効果をご覧下さい

義歯清掃材の「ピカ」を熱心に使って頂いていても、かなりきれいな方ですが、やはり汚れが目立つようになります。およそ3年くらい使って頂いたものです。

「ラバラック D」でクリーニングしますと、こんなにきれいになります。ほとんど新品同様です。「蘇った」という実感があります。
とりわけ、金属床がきれいになります。クリーニング代を頂きたいと思うくらいです。まだ、無料でやっていますが…。

舌の味覚地図は全くの誤解だった

大学の生理学で、「甘さは舌先で」、「塩辛さと酸味は舌のへり」、「苦みは奥の部分」で感じるとされる「舌の味覚地図」を教わって、ずーっとそれを信じてきました。
ところが「全くの誤解です」と日大名誉教授で耳鼻咽喉科医師の富田寛氏は言う。
味覚障害患者を対象にして研究したり、独自に開発した検査法で実験した結果、「舌には特定の味だけを強く感じる部分はない」ことが分かった。味蕾という感覚器は、甘い・塩辛い・酸っぱい・苦いの4つの基本味を一様に感じていた。しかも、味蕾は舌の奥に多く、舌先よりも味に敏感ということも確かめた。
さらに近年、「うまみ」を感じる受容体が見つかり、5つ目の基本味となってきました。
舌でとらえた情報を、脳がどのように処理しているのだろうか。産業技術総合研究所と熊本大学医学部との共同で、脳の磁場研究で脳内の味覚野を突き止めました。味覚野の研究は、味覚障害の治療に革新をもたらしそうです。今後の研究にも目を離すことができません。

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義歯のクリーニングに朗報

義歯清掃剤ではずいぶんと悩んでおりました。リコールごとに清掃をしていましたが、あまりきれいにならず、こんなものかなーと諦めていました。良い商品を見つけました。

患者さんにして頂く清掃剤には「ピカ」などでやってもらっているのですが、長い間使っていますとどうしても汚れがこびりついてきます。超音波洗浄をしても「ピカ」などではどうしてもきれいになりませんでした。
最近、ラバラックという歯科医院専用の清掃剤を見つけて、とても気に入っております。金属床なども新品同様にピカピカにきれいになります。
患者さんが清掃後に目にしたとたんに「わー、きれいになった」と驚きの声を上げます。ラバラックの液体を超音波洗浄器で洗浄します。その後、水で超音波洗浄します。超音波洗浄器がないと効果が半減します。一度おためしください。
「ラバラック D」という商品です。1.2Lで¥4,500。2倍希釈で使います。サンデンタル株式会社で販売しております。

患者さん用のものは全く別の清掃材があるのですが、これは蘇るほどきれいになるわけではありません。患者さんが自宅で超音波洗浄機を使って清掃するものですが、洗浄剤も、超音波洗浄機も、安全性を重要視していますので、効果が今ひとつというところです。

歯界展望に良い論文見つけました

歯界展望 2005年4月号に「歯の欠損の難易度を判定する:症例分類の意義と実際」と題して、宮地先生の「咬合三角」が取り上げられています。
日本補綴歯科学会が推し進めているようです。学会が開業医の業績を引用するということ自体あまりなかったと思いますし、それを中心的に取り上げていることも珍しい。2004年10月の日本歯科医学会のポスター発表でも、これに類した発表を見かけましたので、いいことだと思っていました。宮地先生の長年の努力の賜物です。敬意と喝采をお送りします。

オススメ図書

とてもユニークな本が出ました。
「歯科開業学」というタイトルも変わっていますし、「親父の小言に学ぶ」というサブタイトルがついているのも特徴的です。中身は名言集といった感じです。
若い歯科医師に向けての「親父の小言」が、たくさん網羅されています。開業に当たっての「心構え」、「気持ちの持ち方」、「患者さんへの接し方」といったところが重点的に書かれています。
共感を持てたところを挙げます。「学会のこと」の章で、学会マニアになって「見ている」「聞いている」「知っている」ではなく「やっている」ことが大切である(豊永美津糸先生)。やっている証拠を記録に収め、学会や研究会で発表して、第三者の歯科医の意見を聞くことが勉強だ。「ケースプレゼンテーションが伴わない勉強は進歩がない」という小言は、私がいつも愚息に言っていることです。

他にも有益な小言が満載されています。スタッフに読ませたい小言もたくさんあります。
一読をオススメします。

著者:河原英雄、上村恭弘、河津 寛。¥1,800 クインテッセンス出版株式会社

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